不安を煽るようなタイトルですが、事実です。
これは未乾燥薪を焚き続けたため、歪んで下部に折れ曲がり切れてしまったバッフル板です。
未乾燥薪がストーブを壊す仕組み
乾燥が充分な薪ですと、空気を絞ってゆっくりトロトロ燃やすことが可能です。
このため問題は起こりにくいのです。
これが乾燥不足の薪ではどうでしょう。
水分が多く燃え難いので空気を大量に送り込む必要があります。
つまり「常に全開で燃やさないと」マトモには燃えないのです。
そしてある程度熾き火が溜まり、温度が上がったところで追加の薪を投入します。
すると今度は水をぶっかけているのと同じ状態になり、急激にストーブの温度が下ってしまいます。
これが「未乾燥薪がストーブを壊す仕組み」です。
繰り返される炉内温度の急激な上昇と降下
炉内の温度が激しく上がったり下がったりすることで、急激に熱せられたり冷やされたりした鋳物はダメージを蓄積していきます。
大量の空気を必要とする未乾燥薪は空気を絞ってやることが出来ず、一旦炉内の温度が上がりだすと、今度は温度上昇に歯止めが効かず過熱しすぎます。
薪ストーブサイズの選び方でもお伝えしましたが、薪ストーブはガスコンロやオーブンのようにスイッチひとつで温度の切り替えが出来ないアナログな機器です。
未乾燥薪の使用で破壊されたバッフル板
未乾燥薪しか無くこういう使い方をしていますと、急激な温度変化にバッフル板は変形し伸縮のストレスに耐え切れず破壊されてしまいます。
バッフル板を取り外して観察するとダメージの大きさがよく判ります。
交換用に持参した新品バッフルを並べました。
破損度合いがよくわかります。
ライフスタイルに合わせた機種選定を
乾燥不足の薪を強引に燃やしたり、廃材や針葉樹を焼却炉のようにガンガン燃やすような使い方は繊細な鋳物の薪ストーブには合いません。
そういう場合はシンプルな構造でハードな使用にも耐える、ハンターのような鋼鈑製のほうが無難です。
自分のライフスタイルや、どういう燃料を使うかに合わせ現実的な機種選びをしよう。
現実とかけ離れたイメージだけで選ぶのは危険です。
部品交換が簡単なドブレの640CBと760CB
今回のケースはドブレの定番760CBだったのは不幸中の幸いでした。
鋳物の薪ストーブの中でドブレの640CB/760CBだけは簡単に部品交換できるからです。
そのため莫大な工賃がかからずパーツ代(※)だけで安価に補修可能です。
760CB バッフル板 定価
- 左側 10,600円
- 右側 10,900円
(税、送料別途)
工具無しでバラバラにメンテナンスが可能
焼きついてしまいがちなボルトで固定されておらず、ドブレ640CB/760CBは工具なしでバラバラに分解メンテナンスできてしまいます。
短時間でメンテナンスが完了し復活しました。
シーズンオフすぐのメンテナンスを
薪ストーブのシーズンオフになれば、灰が湿気を吸う梅雨前にきっちりと煙突掃除と本体のメンテナンスをして来シーズンに備えましょう。
放置すると煤や灰が梅雨時や夏の湿気を吸収し、腐食のダメージが拡大します。
更に万一トラブルを発見しても、それがシーズン直前ですと修理が完了するまで寒い思いをすることにもなります。
冬の間の感謝の気持ちを込め、シーズン終了後にすぐにメンテナンスしてやるのがお勧めです。
不安を感じる方はお問い合わせ下さい
煙突掃除は高所での作業です。
道具や方法がわからず自分でメンテナンスする自信のない方、施工した販売店が対応してくれないとお困りの方、他店で施工した場合でもお問い合わせ下さい。
また「自分でやりたいのでやり方を指導して欲しい」という場合にも対応いたします。
出張地域の基本は関東地方ですが、それ以外の地方の場合でも旅行を兼ねて行きますので、遠慮せずご依頼下さい。