薪ストーブの構造によって、熱の伝え方を分類すると、大きく分けて輻射型と対流型に分けられる。
輻射型というのは本体の構造が一重になっていて炉内で温められた鋳物が直接室内空間に開放されるタイプだ。シンプルで単純な構造でホームセンターで売られているような物に代表される。すぐに熱が外に強烈に伝わる特徴がある。
対流型というのは本体の構造の外側にさらに空間を介して、もう一枚鋳物が外側にある二重構造の複雑なタイプだ。そしてこの空間を熱気が対流して外に出てくるような設計になっている。熱効率が良くマイルドに温める特徴がある。
そして輻射型と対流型の二つの特徴を併せ持つのが複合型という。両者の良いとこ取りをした設計だ。
ヴィンテージは、まさにこのタイプの複合型だ。薪ストーブの側面が輻射型、背面と天板が対流型になっている。背面の空気の流れは明日の記事で紹介するが、今日のこの記事では天板の中の対流部分の設計について触れる。
写真で判るように煙突接続部分の丸い部分の周辺に断面積を増やすためのフィン状のデザインになっている。こういう見えないところでも熱をなるべく室内に引き出そうとする設計になっているのだ。ここで熱を上部に放出させて、その熱が背面部分の凹み部分から室内に放出する。炉内で焚いた薪のエネルギーを煙突に排出するまでに、少しでも室内側に回収して、燃焼効率を上げるための極限の設計になっている。
外側からは見えない部分だけど、美しい形状だ。性能を追求すると自然と美しくなってくる。外観はレトロなかわいい雰囲気だけど、中身は高性能の最先端の戦闘機のように凄い技術が詰まっている新世代の薪ストーブなのだ。
そして、こういう細かい微妙な鋳物のデザインができるのもドブレ社の工作精度の高さの表れだ。鋳物でこんな形状の放熱フィンを作ろうとしても技術がないと、綺麗にできなくてバリだらけになってしまったり、ひどい場合には欠けてしまったりする。