触媒機への薪の追加

触媒機は、炉内でチョロチョロ燃やして煙を発生させて、その煙を触媒で燃やすという燃焼形式のため、CB機と比較して燃費は若干良い。イントレピット2のような小型の機種でも、焚きつけ後1時間ガンガン焚いて十分の温度を上げてから、目一杯薪を突っ込んで、その薪をしっかり燃やしてからダンパーを閉めれば余裕で2時間くらいは薪の追加投入の必要はない。
今回のレクチャーでは、焚きつけから安定燃焼させるまでだけではなく、最後の薪の投入の2時間経過後に、その薪が燃え尽きてからの、次の追加投入のやり方まで実際に行った。ここまで実演しないと、本当の意味での取り扱い説明にはならないと思う。
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安定燃焼時には250℃だった右肩の温度は、2時間後に200℃程度まで落ちている
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炉内はこんな感じで熾き火が残っている状態
薪を追加投入する場合には、まずダンパーを開く。空気調整を絞っていた場合には開く。熾き火の量に応じた太さの薪を熾き火の上の乗せる。大量に熾き火があれば太めでも大丈夫だし、少なければ細めにする。薪を投入したらすぐに炎が立ち上がるサイズの薪にしよう。いつまでも燻って煙が出る場合には、入れた薪が太過ぎたと判断できる。
炎が立ち上がったら、すぐにダンパーを閉めてしまうのが、触媒機の典型的な誤った使い方だ。こういう使い方だと、煤や煙を大量発生させてしまう。
正しい使い方は、最初の焚きつけの時同様に、空気全開、薪を順次投入していき、温度をしっかり上げてやることだ。熾き火が残っていて、元々の温度がそれなりに上がっているので、冷たい時からのスタートとは違って、10-20分程度で安定燃焼できる温度に達するだろう。
しっかりと温度が上がってから、ダンパーを閉めて空気を調整する。
この繰り返しで2時間ごと(※イントレピット2の場合)に「炉内に目一杯突っ込んだ薪を全開で燃やす」→「ダンパーを閉めて安定燃焼」を繰り返すのが、触媒機の使い方の基本だ。(※大型の機種の場合には、投入できる薪の量が増えるので、間隔は長くなる)
いずれにしても、薪をケチって少ししか入れないと、いつまで経っても温度が上がらず燃費の良い状態にならないし、煤や煙が大量発生する。薪の消費を気にしてチビチビケチケチ少量の薪を空気を絞って焚いていることを車の運転にたとえると、ガソリンが無駄になるからと合流車線でアクセルを全開にしないで中途半端に踏んでローギアのまま回転を上げているけど、速度が上がってない車と同じような状態だ。この状態だと、かえっていつまで経っても燃費の良い状態に入れない。
大量の薪をガツンと燃やしてエネルギーを蓄えることがポイントだ。高速道路の合流車線でアクセルを全開にして、走行車線と同じ速度になったら、アクセルを緩めてトップギアでアクセルを緩めて巡航運転するイメージで使うと解りやすいと思う。
CB機でも燃やし方の基本は同じだけど、触媒機の場合はダンパーの開閉の手間が増える分、操作がシビアになってくる。適切なタイミングでダンパーを開閉しないと、かえって煤や煙が大量発生してしまう要素を持っていることも認識しよう。
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コメント

  1. チュー より:

    画一的な触媒機とはいえ、クリーンバーン機種を思いのままに
    焚き上げることが出来る川原さんだから書けるこのシリーズ記事、
    大変参考になりました。有難うございます。

  2. かわはら より:

    チューさま:
    こちらこそ、ありがとうございます。

  3. おぼう より:

    いつも興味深く拝読しています。
    触媒機のとCB+煙突にダンパーとで
    注意することはあまり変わらないということでしょうか?
    「いずれもCB機でもそうですよね」と思えてきまして。
    触媒機は扱いがシビアで失敗すると破損しやすいと思ってましたが、
    バーモントの場合、フレックスバーンでは改善されているとかありそうですか?

  4. かわはら より:

    おぼうさま:
    おっしゃる通りで、温度を上げることが必須という意味では触媒機もCB機も変りありません。
    フレックスバーンでセラミックに変更になったのは従来の金属製で変形によるトラブルが多かったからだと思います。当然、その点は改善されていると思います。