驚きのスライド煙突なしの施工

今回、ビンテージのレクチャーで訪問した愛知県のお家では、なんと、スライド煙突なしで、薪ストーブの口元から、煙突を上部に積み上げていくという煙突施工だった。今まで全く見たことのないやり方で、びっくりした。
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溶接跡が真後ろにきてない/二重断熱煙突の直管のみでスライド煙突を使ってない

この方法だと「メンテナンスのため天板を取り外す必要がある」「ダンパーをつけたい」「薪ストーブを入れ替えたい」というような状況が発生した時、屋外の煙突トップから全部バラしての大工事となってしまう。

しかもこの家は吹き抜けなので屋内も足場をかけないと作業できない。とりあえず設置した直後だけのことを考えて、後に何の問題もなければ良いけど、将来のことをあまり考えていないような感じだ。

スライド煙突は定価が33,000円位の部材だけど、それをケチると後、後日、何かあった時に大きな負担が発生するわけで、室内足場、屋外の雨仕舞いから全部やりなおしと、桁違いの労力、時間と出費となるのは明白だ。

もしかして薪ストーブのことをあまり知らない大工さんとか、工務店に設置を頼んだのかもしれないと思って、施主さんに訊いてみたら、そんなことはなく、それなりの規模で営業していている薪ストーブ専門店(※具体的な店名は営業妨害になるといけないから伏せておくし、質問いただいても回答できない)ということで、理解に苦しんだが、よくよく考えてみると、大手で大規模に薄利多売でやっている薪ストーブ専門店ならば、一件づつの案件では原価を抑えて極力利益を確保しておいた方が良いということかもしれない。

万一のことがあって、将来的に桁違いの費用がかかるにしても、それは極々一部の案件だろうかし、お客が負担することだから、その方が合理的という判断なのかもしれない。
(後になって「やっぱりダンパーつけたいとか「薪ストーブ入れ替えたい」というお客はほとんどいないということだろう)

おっかなくて、私にはとてもできない驚きの施工方法だった。

「ビンテージはバーミキュライトのバッフル板を取り外せば、煙突掃除の時に煤を炉内に落とせるから大丈夫」ということだろうが、ある意味、その割り切りに感動してしまうくらいだった。

私の場合はどうしても、コストよりもメンテナンス性を重視してしまうので、高めの見積もりになりがちだけど、大手は違うなと思った。(さすがにバッフル板が外せない機種の場合はスライド煙突を使うのだろうが・・・)

さらに、別の観点からだけど、この煙突は国産の高木工業のもので溶接痕が非常に目立たない製品なのだけど、その向きを普通は真後ろに揃えて目に付きにくくするのが普通だと思っていたけど、全く意識することなくバラバラになっていた。

一番下の煙突は左向きで、その上からも揃ってないで全部バラバラだった。

あまり神経を遣って施工してないという印象を受けたが、もしかしたら溶接痕に気づいていなかったのかもしれない。
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コメント

  1. kouda より:

    74be16979710d4c4e7c6647856088456
    一昨年。煙突から雨漏りがする、という修理依頼が来て。まず外側からシールを直して、その後ストーブ本体のメンテナンスのため煙突をうごかしたら、煙突が妙な動きをした、と思ったらスライドなしの施工だった。直したシールを自分で切ることになったわけ・・・・。将来本体を入れ替えるかもしれず・・スライドなしの施工は有り得ないですね。

  2. かわはら より:

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    koudaさま:
    「ありえない」施工例って意外とあるのかもしれないですねぇ。

  3. shige02 より:

    d9b1d7db4cd6e70935368a1efb10e377
    セコい話ですが、スライド部分が仮に3万だとしても、それ自身長さは0ではない。
    仮に、300mmだとしても、もともと普通の煙突自体1mあたり3万だとすれば、スライドしないものを使っても1万はかかるわけですよね?
    2万しか変わらないのなら、ケチる意味はほぼないのではないかと思います。
    スライドのメリット、デメリットを説明して、お客様が理解して、スライドを用いないという結論に達したのか疑問です。
    それと、違った視点から。
    日本は地震大国であるにもかかわらず、まともにもし、川原さんの言うような施工の仕方だとすると、件のお宅は、地震の際、もしストーブが移動する(左右に滑る)ようなことがあれば、煙突は常に重量で引っ張られている上に、ストーブの滑動に合わせて左右に振れるわけですが、壁のどこか、あるいは、天井の何処かで固定されている部分とで、引っ張り合うことになりますよね?
    力はどこで逃すのでしょうか?
    スライドで弱い部分を作っておくことは、そういう視点からも意味があると考えています。
    まあ、うちはログハウスですから、セトリングがあるので、スライドは絶対必要なんですけど。
    北米の2倍だの3倍だの価格で販売している、暖炉協会も、E-defenseで実物大の耐震試験をするとか、地震に対して、確かな何かがあって、販売しているんでしょうかね?

  4. かわはら より:

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    single02さま:
    本当に理解に苦しむ施工例ですよね。
    私は地震のことなども考えて吹き抜けでも極力ステーで梁などに固定するようにしていますが、このお家では、それも省略されていました。
    施主さんも疑問は感じているようで、そのうち対策すると思います。

  5. おぼう より:

    2b2196777a76782026dd748996dbcb98
    どうやって施工したんでしょう?
    下から積み上げると天井部材を挟み込むのが難しいし
    上からだとストーブ本体を挟み込むのが難しいですよね。
    スライド部って収縮してキズだらけになりますよね。
    ★ならないお家もあるでしょうか?★
    「キズだらけになるのを嫌って」だったりして?
    (キズを気にするくらいなら溶接痕を気にするでしょうけどヾ´▽`A)

  6. かわはら より:

    5a326db1e1e9e1431610192552ef3117
    おぼうさま:
    本当に謎の施工で、私には全く理解できません。
    スライド煙突は傷にならない(正確に言うと傷の部分が隠れる)タイプもあったりします。