あなたの煙突内に付着している物質は、そもそも煤なのか?

これから梅雨入り前までが、煙突掃除やメンテナンスのベストシーズンだ。
薪ストーブの燃焼時に必ず発生する煤は、不完全燃焼の産物だ。焚いた薪の質(樹種)、乾燥度合い、空気の量、燃焼温度によって違ってくる。
単純に「量」だけで判断しないで、もう少し突っ込んで考えてみたい。「量」である程度、そのシーズンの燃やし方の判断ができるのだけど、もっとこまかく「色」「サイズ」「硬さ」などの複数のチェックポイントがある。
「色」に関しては、茶色っぽい赤っぽいものから黒いものまである。
「粒子のサイズ」に関しても、粉末状の細かいものから、フレーク状の大きいものまで様々だ。
「硬さ」に関してもサラサラ、フワフワのものから、バールでこじらないと剥がれない石炭化したようなものまで、まるで違う
単純に色だけを考えても、赤茶色系のものから黒系のものと様々だけど、単純に色だけで判断はできない。赤から離れて黒っぽいから低温で燃焼しているということも一概に言えない。色に関しては、低温だと黒光り、中温だと赤茶系、高温だとつや消し黒系、グレー系という推測ができる。
同様に粒子のサイズも同様に単純に大きさだけで判断はできない。大きいからどう、小さいからどうとそれだけでは判断つかない。
「色」「大きさ」「量」「硬さ」などの複数の項目(パラメーター)を絡めてチェックして、総合的に判断する必要がある。
これまでユーザー宅で何百件も煙突掃除をしてきたけど、さらに厳密に言えば、煙突内に付着している物質は、厳密に言うと単純に「煤」っていう言葉だけでは片付けられない。そもそも煙突内に付着しているのは煤だけではない。灰やタールもカーボンもある。それらが複雑に入り混じったものが煙突内に付着しているのが現実だ。
これまでの経験則から、煤の量はもちろんだけど、「色」と「粒子サイズ」と「硬さ」を見れば、だいたいどんな薪を、どういう焚き方をしているか判る。
私の場合は、煙突掃除やメンテナンスの依頼を受けた際には、単純に作業するだけでなく、回収した煤の量や質から、焚き方のアドバイスというフィードバックをしている。「サラサラだから良いですね」とか「このくらいの量だったらいいですね」なんて誰でもできるような甘口のお世辞みたいな話はしない。お客様の使用状況、環境、スキルを総合的に判断して、適確なアドバイスをするように心がけている。
その結果、数年経過して、少しづつ焚き方が改善して煤の量や質が良くなっていくのが判ると、うれしくなる。


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色の名前からも理解できるけど、煤は赤茶色いのが本来の色
赤茶色いのが「煤」、グレーが「灰」、そして黒いのが「タールやクレオーソート」あるいは「純粋なカーボン」
これらが複雑に入り混じったものが煙突内に付着しているのが実情だ。その成分、中身を分析して総合的に焚き方を判断している。ケースバイケースで、使用環境によって、現場によって同じ状態はないので個別に判断していくしかない。
以下に、参考までに、色んな現場で回収してきた典型的な煙突内に付着している物質の3パターンの写真も掲載しておく。
上手に焚いた場合には真ん中の状態で量はスプーン一杯からコーヒーカップ一杯分程度がトップに付着するだけだ。
それ以外の上と下の状態は、何らかの問題があると判断できる。
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(中温で焚いた場合の)赤茶色い煤
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(高温で焚いた場合の)灰と黒いカーボンが混じった状態
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(低温で焚いた場合に出る)黒光しているタール
さて、あなたの煙突の中はどういう状態だろうか?

※煙突掃除は必ずシーズン終了後、1年に一度必ず行おう
お世辞ではなく辛口の適確なアドバイスが欲しいユーザーからの煙突掃除やメンテナンスの依頼を待っている

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コメント

  1. べっち より:

    みんなこの記事を読んで【ふむふむ】と
    思っているハズ!ベテランでもルーキーでもわかっているようで・・・!?
    今日、私も掃除しました~♪いい記事をありがとうございます!!

  2. かわはら より:

    べっちさま:
    コメントありがとうございます。
    先日の薪焚亭さん主催の薪割会の時に参加者の人から、煤の色に関する質問が出たのですが、簡単に単純化できる内容ではないので、ブログでまとめてみました。

  3. くまはち より:

    記事にして返答して頂きありがとうございます♪
    ほぼほぼ考えていた事と同じで答え合わせ出来た感じです♪
    まぁタールは問題外ですけどねぇ。。多いんでしょうね(汗)

  4. かわはら より:

    くまはちさま:
    バスの中で魚紋までの間に軽くサクっと答えられる話題ではなかったので、ブログの記事にしてみました。
    意外と問題外のタール系のユーザーは多いです。低温で燻ぶらせる焚き方をする癖がしみついているんです。