ヒミエルストーブ訪問

今回、四国からの帰り道には、兵庫県のヒミエルストーブを訪問した。「火が見える薪ストーブ」というところから解りやすいいネーミングだ。
一般的なロケットストーブはヒートライザーの燃焼部分に炎が立ち上がるので、炎がガラスから良く見えないという、炎好きには致命的(?)な構造なのだけど、ヒミエルストーブはロケットストーブにも関わらず、炎が見えるというユニークなものだ。
私の訪問の様子はこちらのブログにも掲載されている。

数ヶ月前にメールでアポイントを取り、関西ツアーのタイミングで我が工場にお客様がお越しになって下さいました。 その方は「かわはら薪ストーブ本舗」の川原さんです。 川原薪ストーブ本 ...
ヒミエルストーブは、私が開発中の新型ストーブや、既に販売されてて、かわはら薪ストーブ本舗でも複数工事させてもらっているエイトノットの薪ストーブと構造や仕組みが似ていているので、パっと見ただけで火を入れる前から性能は想像がついたが、実際に火を入れると、特許取得したヒートライザーに挿入することでパワーアップさせる「燃焼装置」(=サイクロンチューブ)により、私の想像以上の燃費と高効率を実現していた。サイクロンチューブの詳細については、公式サイトをチェックして欲しい。
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サイクロンチューブ内での渦燃焼の様子を観察窓から撮影(高温で燃焼しているので、炎の真上の耐熱ガラスに煤がつかない)
実際に形になっていて、既に販売されているヒミエルストーブの初期バージョンの製品に火を入れて見せてもらった。
初期バージョンは鋼鈑を丸く曲げる形状のため時間と手間と費用がかかること、サイズが大き過ぎて一般住宅には向かないため、より一般的に受け入れられやすい形状とサイズに落とし込んだ、小型の製品を、現在作成中とのことだった。
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木材で作った、小型の新製品の実物大の模型で構造をチェックした
図面だけでは判らない部分も、こうして形を作ることで、細かい部分の洗い出しができる。この模型を元に、実際の部品をCADに落とし込んで設計して作られたパーツを、この後は組み立てるだけという状況まで進んでいた。まだ組み立てる前だったので、現時点で改良できるところも反映できる状況でラッキーだった。大きな変更はないけど、空気調整の流れの経路や、空気調整しやすい仕組みを、私の製作経験から伝えた。
お盆過ぎには組みあがって、この秋には実際に火を入れた様子のレポートをもらえるだろう。
コストパフォーマンスが高く、投入した金額以上の性能を得ることができる、満足度の高い、お勧めできる製品になりそうな手応えを感じた。引き続き、かわはら薪ストーブ本舗でも、この製品をフォローしていきたいと考えている。
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今回テストした、丸型の大型バージョンのヒミエルストーブ
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火入れ前に細かい部分のチェックをした後に火を入れてもらった

この動画の見るべきポイントはヒートライザーの燃焼能力の高さだ。外気温40℃近くなので、断熱材の入ってない工場の煙突トップ付近の室内温度は50℃以上あるだろう。その環境の中で、シングル煙突で排気温度が保持できないにも関わらず、煙が逆流しないで燃えてしまうのは特筆できる。5時間程度焚いた後に残った熾火の上にボコっと太い薪を投入した直後で、普通の薪ストーブならば扉や空気取り入れ口から煙がモクモクと室内側に流れ込んでしまうだろう。真夏の15時くらいの温室内とも言えるドラフトを発生させるのが厳しい環境でも難なく燃えてしまうのだ。一般的な薪ストーブは煙突のトップ付近の外気温と排気温度の差があるほど、良く燃える。あまり温度差がないのに、本体内蔵のヒートライザーの煙突効果で排気を押し上げてしまうのだ。
念のため補足しておくと、この動画で、煙が出ているのは薪の投入直後で、まだ十分に温度が上がってない状況だからだ。時間が経過して、しっかりと燃えて炉内温度が上がれば煙は目視確認できなくなる。透明は排煙になった状況を写真で撮っても、燃えているのかいないのか判らなくてつまらない。そのため、薪の投入直後の煙が出ている状況を敢えて撮影している。
一つ誤解しないで欲しいのは、シングル煙突でもこのように燃やしてしまう能力をヒミエルストーブ本体は持っているけど、実際の使用の際にはシングル煙突でも良いと言っているわけでははい。この動画では実験のため、これ以上はないくらいの極限状態の非常に厳しいイジワルな状態まで追い込んでいるけど、二重断熱煙突の方が排気温度が高く保てるので、空気をより一層絞ることができて燃費も良くなるし、煤の付着も少なくなる。
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午前中から昼食をはさんで5時間程度ガンガン焚いてフル稼働させてのテストの後に、空調服を試着させてもらった私
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製作者の西岡さんと、熾火に最後の薪を突っ込んでの再稼働したヒミエルストーブ
少ない薪で高効率で燃費良く、料理もできて、暖かい薪ストーブを希望している人は、ぜひともチェックして欲しい。40万円程度で、このパフォーマンスを得られる薪ストーブは大手市販のモデルでは、なかなかないと思う。ロケットストーブの仕組みと構造からも推測がつくだろうけど、普通の単純な構造の薪ストーブ2台分の物量の材料が投入されている。(受注生産で納期2カ月程度なので、この冬から使いたいという人は早めに、ヒミエルストーブにコンタクトを取ることをお勧めする)

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