ネスターマーティンの素晴らしさ

ネスターマーティンの薪ストーブは「炎が綺麗」ということで2016年度グッドデザイン賞を受賞しているけど、それだけではない。他のメーカーにはないユニークで独自の構造と仕組みに裏打ちされた性能の良さ、メンテナンス性の良さが特筆できる。

かわはら薪ストーブ本舗 北軽井沢店に展示しているネスターマーティンの機種

今回の記事では、かわはら薪ストーブ本舗 北軽井沢店に展示している8台のネスターマーティンの機種のうち、一番奥にあるH33を分解して、他のメーカーとは明らかに違う、優れたネスターマーティンの薪ストーブの性質ついて解説しよう。一番端なので分解や撮影しやすいから選択しただけで、他意はない。S43など他の機種でも基本構造は一緒だ。ちなみに、手前の隣の別の展示機種C43だと側面からの撮影ができない。その隣の展示物が邪魔になっているからだ。

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私がお客様に薪ストーブをお勧めする時には、性能や使い勝手は当然のこととして、特にメンテナンス性、耐久性を重視している。長期間使っているうちに炉内パーツが変形してきた時に、ボルトやナットなどのネジ類で固定されていない機種だと、容易に部品交換できる。

ネスターマーティンの機種の場合には、炉内のパーツはネジで固定されることなく、組み合わせて置いてあるだけなので、変形した際にも交換が簡単だ。万一の際にも、現場でサクっとパーツ交換できる。

一方で、炉内パーツの固定にネジやボルト、ナットが使われている構造の機種の場合には、熱酸化で固着していて、破壊せざるを得ないことが多い。結果的に大掛かりな修理となってしまう。現場で処理するのが困難となり、搬出、オーバーホール修理、再搬入と経費がかさんで、場合によっては買い換えた方が安いくらいのことになってしまう。

「経費をかけたくないから現場で修理して」って言われたら、朝から夜まで丸々一日間、場合によっては二日間、お客様が日常生活を送っているリビングでガンガン音を立てて、錆、灰、煤、鉄くずなどの粉塵をまき散らす作業することになって、お互いに気を遣って、不自由、不便な状況となることになる。いくら薪ストーブの周辺を養生しても、それなりに粉塵は飛んでいく。

工具なしで、炉内パーツは全て取り外せる

薪ストーブは短期間の使用だとしても、誤った使い方をすると炉内パーツが変形して歪んでしまうこともある。具体的には空気調整せずに常に全開とか、灰受け扉を開けての使用、空気取り入れの切り替えレバーの位置を石炭モードでの薪の使用、乾燥してない薪を無理やり燃やす、集成材や塗料付きの廃材の使用などだ。

正しい使い方をしていれば、ほぼ問題ないけど、長期間の使用の場合には、経年劣化による消耗もある。

その際に、壊れるべきパーツ(消耗品)と、壊れない部分を明確に分けてている設計が秀逸だ。上の写真のように壊れる可能性のあるパーツに関しては、工具を一切使うことなく、短時間で簡単に入れ替え可能になっている。

外装の側面鋳物パーツを取り外したところ

炉内の(消耗品扱いの)鋳物パーツか、外装の鋳物パーツを取り外すと、中間層の鋼板製の箱が観察できる。これがWOODBOXと呼ばれるもので、ネスターマーティンの薪ストーブの心臓部だ。これで炉内の気密性を確保している。鋳物を組み合わせて、ガスケットや耐火セメントで接合部分の気密を取っている構造とは異次元の気密性が確保されている。これが「燃費の良さ」と「炎の綺麗さ」の理由だ。解りやすく単純に言うと、内側から「鋳物」「鋼板」「鋳物」の3つの箱で構成されている。万一の時に、壊れるのは一番内側の箱(パーツ)だけというように、主要構造部分をガードする設計になっている。

炉内の鋳物パーツを取り外した際に見えるWOODBOX

この3重構造によって、「耐久性&メンテナンス性」と「気密性」(燃費の良さと炎の綺麗さ)を両立している。

たまに、ネットの情報で「ネスターマーティンは暖かくならない」っていうものを見かけるが、それはこの薪ストーブの構造や仕組みを理解してないからだ。空気層をはさんだ三重構造のため、外側に熱が伝わるのに、一般的に売られている単純な(鋳物だけ、鋼板だけの)一重構造の薪ストーブよりも時間がかかるだけだ。一番外側まで熱が伝わるための時間がかかるのは事実だけど、一度蓄熱してしまうと、今度は長時間熱を放出してくれるので、暖かさが長持ちする。ある程度の長時間焚けば「暖かくない」ということはないと断言できる。立ち上がりは他の機種よりは時間がかかるのは事実だけど、長時間(最低でも半日、そして数日間連続で)焚く前提の薪ストーブなのだから、それは大きなマイナスポイントではない。

ネスターマーティンの薪ストーブが立ち上がり時間に、他の構造の機種よりも時間が多少かかる点は、メンテナンス性、耐久性、そして燃費の良さや炎の綺麗さなどで、容易に逆転できるポイントだと思う。

このことは、今回分解したH33だけでなく、H43, S43, S33, C43, C33, TQ33, TQH33など他のネスターマーティンの全機種に共通して言えることだ。

今回は、ネスターマーティンの薪ストーブの構造と仕組み、特徴を解説した。

ちなみに「室内が氷点下近い別荘に到着したら速攻で暖まりたい」「定住住宅で、夫婦共働きで夜遅く帰宅して、すぐに暖まりたい」というニーズ(※)にはネスターマーティンはお勧めしないけど、そうでない場合には、自信を持って勧められるメーカーだ。

※この場合には、ネスターマーティンと対極の構造の鋼板製の一重構造のタイプがお勧めだ。

かわはら薪ストーブ本舗にはハンターストーブ、Hetaなどの別メーカー、別の構造の、立ち上がり速度の速いモデルを燃焼可能な状態の実演機として置いてあるので、ご希望であれば両者の違いを比較する実体験ができる。

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コメント

  1. アバター 西湘の民 より:

    ネスターマーティンのWoodboxは溶接で作られているのでしょうか?また1番内側の素材は鋳物ですが、バーミキュライトとの違いがやはりあるのでしょうか?

  2. かわはら かわはら より:

    西湘の民さま:

    はい。その通りでWOODBOXは鋼板を溶接して作られた箱です。

    一番内側の鋳物パーツのバーミキュライトとの燃焼時の違いは「蓄熱」か「断熱」の違いです。鋳物の場合は素材そのものが蓄熱しますが、バーミキュライトは蓄熱しないで炉内に熱を戻す形ですね。

    また耐久性の観点も重要です。鋳物パーツの方が耐久性が高いし値段も安い傾向があり、メンテナンスコストが低くなります。