ネスターマーティンS33レクチャー

先日、新築工事中の現場へ設置したネスターマーティンS33の火入れレクチャーに、お客様の入居後のタイミングでスケジュール調整して行ってきた。

かわはら薪ストーブ本舗で施工した場合には、しっかりと時間をかけて取り扱い説明を行い、お客様が自信を持って使いこなせるように心がけている。

上から着火方式で点火

焚き付け直後は、扉のハンドルを下方向にひねってロックせずに、敢えて引っかけた状態で扉の隙間を少し開いて空気を大量に送り込んで、スムーズに炎が回るようにしている。ネスターマーティンは非常に気密性の高い構造になっているので、焚き付け時に扉を完全に閉じてしまうと、酸欠状態になるからだ。

十分に広く作成した炉台にいい感じに納まっている

天板温度が200℃程度になるまではガンガン焚く


このような放射温度計があると、バイメタルの温度計よりも正確に、薪ストーブ各部の温度を測定できるので、薪ストーブの温度管理(温度分布)に対する理解が深まるので、用意しておいた方が良いグッズの一つだ。

薪を節約したいとか、たくさん燃やすともったいないとかで、天板温度が上がる前に早めに空気を絞ってしまう人もいるけど、そのような使い方をすると、煙が燃える二次燃焼しないで、薪だけが燃えてかえって燃費が悪くなる。煙も煤も大量発生して、本来であれば燃えて熱になる成分を煙突から無駄に捨てていて効率も最悪だ。

二次燃焼する温度に達したら空気調整する

調整の方法だけど、その時の熾火の量、灰の量、薪の太さ、外気温などの要因で、最適な空気量は違ってくる。単純に数字でいくつくらいの位置と毎回同じ場所になるわけではない。

ポイントはダイヤルの数値ではなく、炉内の炎の状態を見ること

薪から立ち上がっている黄色い明るい炎と、薪とは接していない炉内上部の薄いオーロラ炎の比率が半分半分くらいになる程度に空気を絞るのがポイントだ。薪から発生したガス(つまり煙)が、種火である薪から立ち上がっている黄色い炎で引火している状態をイメージすると良いと思う。

これはなかなか言葉で説明しても難しいかもしれない。実際には、炎の様子と煙の発生具合を見て学ぶしかない。

適切な空気量であれば、煙突からは目視確認できる白い煙は全く見えないはずだ。透明な揺らぎだけが、煙突トップ周辺を観察すると判るというのが、正しい空気量だ。何回か、実際に外に出てチェックすると、炎の立ち上がり方と、煙突からの煙の状態を推測できるようになってくる。

ネスターマーティンは非常に気密性の高いストーブなので1以下に絞ってしまうと、酸欠状態で炎が立ち消えて、煙突から煙が大量発生してしまう。幽霊みたいに現れたり消えたりの妖艶なオーロラ炎になって面白いけど、それをやるのはお勧めしない。試しにその状態で煙突から出ている煙をチェックしてみると良いと思う。本来であれば燃える成分が燃えずに、煙として大気中に無駄に捨てられていることが理解できると思う。

今回のレクチャーは二次燃焼する温度に達して空気調整するところで終わりではなく、そのまましばらく放置して、次の追加薪の投入のタイミングまでを複数回行った。薪が熾きになって、太い薪を入れてもすぐに燃えてくれる絶妙なタイミングになるまで時間をかけた。レクチャー開始は午後1時頃だったけど、終了したのは、すっかり暗くなった頃だ。何度か追加薪をするところまでレクチャーしたので、自信を持って使えるだろう。

その際の空気調整の仕方(追加薪の前に空気を全開にすることや、必要に応じて空気の経路の切り替えレバーを操作することとなど)のネスターマーティン特有の使いこなしのポイントを実際にやって見せた。

■空気調整レバーの操作■
Aポジションだと上からの空気のみ→薪の安定燃焼時
Bポジションだと下からの空気のみ→熾火だけの状態からの立ち上げ
中間だと上と下の空気のミックス→焚き付け時
「薪ストーブ店に見学に行ったけど、ネスターマーティンは暖かくない・・・」 ネット上でたまに見かける意見です。 …

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