先日、新築工事中の現場へ設置したネスターマーティンS33の火入れレクチャーに、お客様の入居後のタイミングでスケジュール調整して行ってきた。
焚き付け直後は、扉のハンドルを下方向にひねってロックせずに、敢えて引っかけた状態で扉の隙間を少し開いて空気を大量に送り込んで、スムーズに炎が回るようにしている。ネスターマーティンは非常に気密性の高い構造になっているので、焚き付け時に扉を完全に閉じてしまうと、酸欠状態になるからだ。
このような放射温度計があると、バイメタルの温度計よりも正確に、薪ストーブ各部の温度を測定できるので、薪ストーブの温度管理(温度分布)に対する理解が深まるので、用意しておいた方が良いグッズの一つだ。
薪から立ち上がっている黄色い明るい炎と、薪とは接していない炉内上部の薄いオーロラ炎の比率が半分半分くらいになる程度に空気を絞るのがポイントだ。薪から発生したガス(つまり煙)が、種火である薪から立ち上がっている黄色い炎で引火している状態をイメージすると良いと思う。
これはなかなか言葉で説明しても難しいかもしれない。実際には、炎の様子と煙の発生具合を見て学ぶしかない。
適切な空気量であれば、煙突からは目視確認できる白い煙は全く見えないはずだ。透明な揺らぎだけが、煙突トップ周辺を観察すると判るというのが、正しい空気量だ。何回か、実際に外に出てチェックすると、炎の立ち上がり方と、煙突からの煙の状態を推測できるようになってくる。
今回のレクチャーは二次燃焼する温度に達して空気調整するところで終わりではなく、そのまましばらく放置して、次の追加薪の投入のタイミングまでを複数回行った。薪が熾きになって、太い薪を入れてもすぐに燃えてくれる絶妙なタイミングになるまで時間をかけた。レクチャー開始は午後1時頃だったけど、終了したのは、すっかり暗くなった頃だ。何度か追加薪をするところまでレクチャーしたので、自信を持って使えるだろう。
その際の空気調整の仕方(追加薪の前に空気を全開にすることや、必要に応じて空気の経路の切り替えレバーを操作することとなど)のネスターマーティン特有の使いこなしのポイントを実際にやって見せた。
Aポジションだと上からの空気のみ→薪の安定燃焼時
Bポジションだと下からの空気のみ→熾火だけの状態からの立ち上げ
中間だと上と下の空気のミックス→焚き付け時
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