脱サラして薪ストーブ屋になりたいという人へ

数年に1度位の割合で「脱サラして薪ストーブ屋になりたい」という相談を受けることがある。お客様の喜ぶ顔を見られる素敵な仕事だからだ。

昨日の記事で、「工務店が薪ストーブ事業を新規でやりたい場合は支援する」と書いたけど、建築関係の仕事をしたことのないサラリーマンが、いきなり薪ストーブ屋になろうとすることは安易にお勧めできない。

建築関係の仕事をしたことのない場合は、「セルフビルドやハーフビルドで自宅を建てた、リフォームした経験がある」位のスキルは必要だ。趣味で「棚をDIY作成したことがある」程度では、正直言って難しいと思う。

薪ストーブ店として開業するために必要なのは、このような技術的なところや知識だけでない。

高所作業車で、所定の位置に金具を取り付け

それよりも何よりも、最も大事なのは、集客力、営業力だ。

薪ストーブ屋を新規開店したら、すぐにお客が来るほど甘い世界ではない。日本中の、どの県だとしても、既存の薪ストーブ店がひしめきあっている。各県に最低でも2-3店舗はあるだろうし、激戦区では10店舗近くある。日本中のどこにいても、車で1時間も走ったら、どこかに何かしらの薪ストーブ屋があると言っても過言ではないと思う。その中で新規出店した店舗に、すぐに客が流れて来るとは考えにくい。

「石の上にも三年」ということわざもあるけど、開店してから3年程度はお客が来ないと考えておいた方が現実的だ。3年程度続いている店ならば、ようやく信用ができて、自然発生的に来客が見られるようになるという感じだ。3年間は実店舗での受注はゼロと考えて、コネと人間関係、営業力で、自分の行動力で仕事を取る力があるかを考えてみよう。これまでのサラリーマン時代に営業をしていたとしても、それは所属していた会社の看板や人間関係によるものだったはずだ。会社を離れて自営になった時に、それなしで、どう受注できるかを取れるかを冷静に考えてみよう。

そのため、3年間は収入ゼロでも暮らしていける位の蓄えを確保することが、開業資金、店舗の運転資金の他に必要になってくる。具体的な金額は、それぞれの場所、環境によって異なるけど、電卓を叩けばすぐに計算できるだろう。

「薪ストーブ屋をやりたい」という希望者には、このように厳しい実情を話している。大抵はそれで諦めて他の道に進んでいく。

「それでも挑戦したい」という人も中にはいる。まあ、そのくらいの根性がないと自営はやっていけない。その場合は「とりあえず経験を積んで技術や知識を身につけたいから働かせてください」ということになる。その場合は、昔の丁稚奉公みたいに、タダで働かせるという時代ではないので、バイト代として日当を支払って、働いてもらっている。薪ストーブ業界で働いて、だんだん現実を知っていく。つまり、知識や技術を盗んで独立したとしても簡単には食っていけない厳しい世界だということに気づくわけだ。

アルバイトだとしても2-3年薪ストーブ店で働けば、一通りの一般的なパターンでの薪ストーブ工事の施工現場を経験できると思う。薪ストーブ工事、煙突工事と一口で言っても、屋根材の種類によって雨仕舞いの方法が全て違うし、チムニー、フラッシングかによっても違うから、1年程度では身につかない。

1年程度働いて「何となく独立して開業できるかもしれない」と考える時期になってくると、次は別の新たな問題が立ちはだかってくる。集客は「ネットの時代なので、ネットを活用すれば何とかなる」と考えるのかもしれないけど、その問題ではなく、仕入れの問題だ。

そもそも実店舗がないと、薪ストーブの実機を展示実演できないし、仕入れはできない。

欧米の高級と言われる薪ストーブのメーカーは、既に既存の販売網が構築されていて、メーカーと既存の販売店の間で強力なディーラー網が構築されている。メーカーや輸入元はこれまで築いた販売網への配慮から、新規出店する店には卸さないので事実上頓挫する。

新規参入組でも仕入れられるようなメーカーは、エンドユーザーからの人気もないマイナーな商品だったり、低価格低品質だったりする。魅力的な商品を取り扱えないと、商売にならない。

新規参入組みが自由に商品を仕入れできない業界なのだ。そこで、メーカーから仕入れられないのであれば、その商品を扱っている販売店から売ってもらうと考えて「仕入れさせて下さい」と言うと、その販売店にとっては本来であれば自社で施工できるはずの客を奪う「ライバル店が俺の島を荒らしに来た」というふうに受け止められて、歓迎されないケースが多い。

こうして八方ふさがりになるであろう現実を知って辞めていくというパターンだ。このように、自営で薪ストーブ屋をやるのは難しいのが現実だ。

自営で薪ストーブ店を経営するのではなく、既に営業している薪ストーブ屋に就職して、従業員として働き続けるのであれば比較的敷居は低いけど、それは「脱サラ」とは言わず、思いっきりサラリーマンのままで、単に転職したということになる。自分がどの道に進みたいのか、冷静に真剣に考えてみよう。なかなか自分のことは客観的に見られないものだ。

ここまで読んで「それでも、独立して薪ストーブ屋を開業したい」と考える個人の方が出てきたら、我々の同士として頑張る後進を支援する。それは、かわはら薪ストーブ本舗のフランチャイズ二次店として経営する道だ。薪ストーブ設置工事のノウハウに加え、見積り、施工計画、工事技術までトータルで学べるだけではなく、人気のある一流メーカーの薪ストーブの仕入れも可能となる。私が薪ストーブ屋をやり始めた時のように、自宅兼店舗にして薪ストーブを導入すれば、専用店舗よりも、かなり初期投資を抑えて開業することが可能だ。

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コメント

  1. より:

    全体的に見れば極僅かだけど、まだ日常的に薪を使う地域が山間部に残っている。
    その様な地域では薪の良さは良く理解されてるし、煙を出さずに焚くのも巧いし煙突掃除も身に付いてる人が居ます。
    その様な人達が扱えば、薪利の用は悪くありません。

    ただ、理解が無いままスタイルだけ真似て公害を生み出す人口密集地のユーザーが増えたので、社会的には逆風が吹き荒れてる。