2016年の以下の記事を見たお客様から問い合わせがあった。
「現在使っているディファイアントのガラスを熱反射ガラスに交換したい」ということだった。8年前と現在では、物の価格も全然違っているし、そもそも上の記事での真四角な形状のガラスとRの入った形状では加工の手間も全然違うし、数量も1か2で二倍違ってくる。とりあえずガラスメーカーに確認、見積を取ると、現在では、2枚で実売価格30万円程度、納期は2カ月位ということだった。

熱反射ガラスの特性
薪ストーブのガラスを普通の耐熱ガラスから熱反射ガラスに入れ替えると、炉内温度が上がるために、明らかに性能が向上するが、それだけの費用をかけるかどうかは、人それぞれの価値観による。

メーカー推奨の熱反射ガラスの取り付け方向
事前にガラスメーカーに確認を取ったところ、炉内の観察用の窓としての熱反射ガラスの使い方では、金属コート面を熱源側、非コート面を室内側というのが一般的な取り付け方向だということだった。ただし、裏表逆にしても、反射率、透過率については大差ないということだった。
そのため、交換依頼を受けた時には、メーカー指定の取り付け方向で取り付けた。この状態で焚いたお客様からは「思ってたよりもガラスが煤ける」という結果とともに、試しにメーカー推奨とは裏表逆で、コート面を室内側、非コート面を炉内側に取り付けてみたら「ガラスに付着する煤が激減した」という結果を教えてもらった。

薪ストーブガラスとしての使い方
メーカー推奨の「コート面が熱源側」の取り付け方向だと、ガラスの厚みの部分に蓄熱せずにガラス面の温度が低いということで、炉内を観察する時に顔を近づけた時に、熱さを感じにくいというメリットを優先させているのだろう。そしてガラス面の温度が低いということは煤が付着しやすいということになる。
メーカー推奨とは裏表逆の、「コート面が室内側」の場合は炉内の熱が往復でガラスを通るため、ガラスの厚み分の蓄熱がガラス内で行われるため、ガラスの温度が高くなる。そのため、煤が付着しにくいということだろう。
実際に焚いてみて、「メーカー推奨」を鵜呑みにせずに、その結果を受けて、裏表逆にして再度実験してみるお客様の行動力は素晴らしいと思った。
以下に、お客様の生の声を紹介しよう。
操作方法が全然違うデファイアントになりました。燃え方がとんでもなく良く薪の追加のタイミングとダンパーの閉じるタイミングが今までと異なり薪追加後の操作までの時間を短くする必要があります。
トップから薪追加最中にすぐに薪が燃えだしますので炉内の温度がかなり高い事が分かります。
4本追加で4本目ゆっくりしすぎると3本目の薪に炎が燃え移りトップ開口部まで上がってきます。
薪追加後目指す天板温度が上がるまで待つと薪の表面がすでに真っ赤になり薪がかなり燃えてしまいダンパー閉じからの炎を楽しむ時間が短くなります。
薪の表面全体が黒くなったらダンパー閉じても大丈夫の様です最後の追加の時に試してみました。すると炎が立ち上がり燃えながら温度が上がりますそれでも空気調整レバー5mm位絞った状態で目指す温度まで時間がかからずに達してしまいます。
朝の熾火も今までは残っておりませんでしたが今回初めてかなりの量の熾火が出来てとてもうれしく思います。
国産煙突と熱反射ガラスの威力に驚いております。

ガラスを入れ替えた状態のディファイアント

翌朝のガラスの状態
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