これまでの常識が通じない高気密高断熱住宅での薪ストーブ、煙突工事

午前中の静岡での薪ストーブメンテナンスの次は、午後から愛知県の新築住宅への煙突工事、薪ストーブ工事の打ち合わせだった。

今回の愛知県の現場は、煙突を壁面に貫通させて、外壁に煙突を固定するプランだ。上棟が終わって、外壁の施工が始まったタイミングで予定を組んだ。このタイミングでないと、外壁の施工が終わってしまう。その後から煙突貫通部分の造作や、煙突固定のための下地を入れる作業ができなくなってしまう。現場の施工スケジュールに合わせてピンポイントで訪問する必要があったが、関西ツアーへ行く途中の道中に立ち寄れる段取りを組めて、ラッキーだった。このタイミングを逃すと、このためだけに愛知県に来ることになってしまうところだった。

愛知県の新築現場に到着

外張り断熱材同士の継ぎ目を気密テープできちんと目張りして、かなり気密性に気を遣っていることが見ただけで判る。

打ち合わせ時間より早めに到着したので、現場の大工さんにとりあえず挨拶して、工務店の設計担当を待つことにした。その間に現場の構造を観察して、頭に入れておく。

最近の高気密高断熱の住宅は、工務店により独自のユニークなやり方で行われているので、これまでの常識が全く通用しない。建物の基礎の内側(床下空間)も断熱して室内側という扱いになっているケースも多く、この場合は床下からの外気導入が難しくなる。外壁から外気導入できる設置位置なら問題ないが、建物の中央付近だと、基礎を貫通させた外気導入の必要が出てきて、配管工事が大変になってくる。

今回の現場では、壁面の構造も、室内側から「内装仕上げ材」「内装石膏ボード」「気密シート」「内装断熱材」「骨組み」「外装構造ボード」「発泡外張り断熱材」「胴縁」「外壁の金属系サイディング」と9層もあって、非常に複雑だ。外張り断熱の場合は、煙突固定のためのボルトが効かないので、どうすれば良いのかを考える必要が出てくる。

従来の比較的単純な壁面構造の場合には木下地の造作も直感的に考えられるけど、かなり複雑な構造なので、煙突固定一つ取っても、従来の常識が通じなくなってきている。

また、薪ストーブの焚き方についても、従来の気密性、断熱性の今一つな既存住宅の場合は薪ストーブを焚き続けるということになるけど、これだけ高気密高断熱になってくると、常時薪ストーブを焚き続けるということはなく、寒さを感じたら軽く焚いて、そのまま鎮火させて終了というような感じで薪の消費量も大幅に少なくなるだろうと思う。機種に関しては、部屋の中が暑くなり過ぎないように、小型の機種や、ソープストーン製の物と相性が良いと思う。

骨組みの木の外側に構造ボードを打って、さらにその上に発泡系の断熱材

断熱材の厚みは50ミリ

外壁を煙突を貫通させる場合には、外壁への煙突固定が肝になってくる。強風に耐える必要があるので、かなり丈夫な木下地が必要になる。最低でも24ミリ厚以上は欲しいところだ。

一般的な施工方法だと、木下地を入れたとしても、外装材と木下地の間は胴縁で浮いていて空間になっているケースが多い。煙突固定部分は、木下地と外装材の間にもも全て胴縁を入れて内部の空間がない状態で造作する必要がある。今回は、外張り断熱材が発泡系なのでボルトやビスが効かないので、下地の位置に関しては断熱材はカットして、木下地を入れる必要がある。この辺りの説明を、工務店の設計担当に伝えて、念入りに打ち合わせする必要がある。

煙突貫通の位置や、煙突固定の下地の位置を構造ボードに記載

こういう複雑な問題を回避するためには、煙突は真っすぐ室内を立ち上げて、屋根から抜くのがベストプランなのだけど、住宅の間取りや設計上、どうしても外壁から抜かざるを得ない時もある。この場合は、与えられた条件でベストを尽くすしかない。

室内側の薪ストーブ設置位置の様子

一通り現場でした打ち合わせを、設計士がきちんとメモを取ってくれて、理解した上で、現場の大工さんにも伝えてくれていたので、多分問題は起きないだろうと思う。

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