2017年7月1日に発売予定のハンターストーブの新商品『アスペクト』のデモンストレーションを、かわはら薪ストーブ本舗のショールームでおこないました。
デザインや仕組み、燃焼性能をレポートします。
アスペクトのデザインと操作性、サイズ
セガンのサファイヤ(ドブレ640CB)と比べると、明らかに小さいです。
形もアスペクトは縦型でモダンタイプ、デザインもまったく違います。
アスペクトのサイズ感
ハンターストーブ同士で比較しますと、小型のスカゲンよりもさらに一回り小さいです。
縦型ということもあり、設置場所の制約を受けにくいでしょう。
高気密高断熱の住宅や平屋などで、薪ストーブの出力が低めの方が良いケースで選択肢に加わると思います。
他メーカーではHetaが近いですが、サイズ(パワー)的にはアスペクトよりもさらに小さい機種ですので競合するような印象はありませんでした。
またドブレのヴィンテージも並べて比較すると以下のような序列になります。
必要な出力によって選択すれば良いでしょう。
出力が大きい
- ヴィンテージ50(ドブレ)
- スカゲン(ハンター)
- アスペクト(ハンター)
- 55H(Heta)
- ヴィンテージ35(ドブレ)
- 45H(Heta)
- 35H(Heta)
出力が小さい
設置する場所の環境に合わせた適切な出力の機種を選択することがポイントです。
単体では判りにくいサイズ感が、定番機種の横に並べることによってイメージできるようになりなす。
これからの住宅は高気密高断熱が一般的になってきて、中には究極のZEH(ゼロ エネルギー ハウス)も出てきます。
ZEHは「人間の体温」「家電製品の発熱」だけの熱量でOK、という考え方で設計されます。
そういう方向に進みますと、より小さな出力機種が必要な時代になってきます。
薪ストーブにも「暖房」としての機能よりも「癒し」「炎を楽しむ」という機能が求められるようになってくるでしょう。
アスペクトの操作はスムーズ
扉はドブレ700SL、AGNI、Hetaなどに採用されている「前後に動かすハンドル式」です。
人間工学的にとても使いやすいレバーです。
レバーを引けば扉が開いて、押せば閉まりますので確実な操作が可能です。
火が入り高熱を発しているストーブの扉操作に手間取るのはとてもストレスです。
しかし、当機種のような「前後に動かす方式」ですとその問題が起きませんので安心して使えます。
炉内の様子
続いて炉内を観察してみましょう。
炉底までバーミキュライトが敷き詰められており、灰に頼らず炉内を高温に保つ仕様なのが判ります。
1次空気噴出口は奥側下部に設定
さらに1次空気の噴出口が炉の奥側下部に設定されているのも特徴的です。
このスリットから1次燃焼用の空気が吹き出します。
多くの機種では炉の手前側や底面から1次空気を供給しています。
しかしそれですと薪の前面が燃えてガラス方向に崩れ落ちてくるケースが多いのです。
ですがアスペクトの場合は炉の奥側に噴出口がありますので燃えるのも奥側から、薪が崩れていくのも奥側から後ろ方向です。
このおかげで扉を開いた時に燃えた薪が飛び出しにくくなっています。
また、炉の奥の方が酸欠になって消し炭状態で燃え残ることも少なくなる効果もあります。
このようにアスペクトは随所に工夫が感じられる造りをしています。