一般的な薪ストーブの空気調整のレバーやダイヤルは、どっちに動かせば空気を入れるのか、それとも絞るのか見ただけでは判らないケースが多い。また、そもそも、そのレバーが、何の調整であるのかさえ判らないことも、よくあることだ。取り扱い説明書を見れば書いてあるだろうけど、いちいち調べないと判らないというのも何だかと思う。
その点でもドブレ700SLの空気調整の機構は優秀だ。まず、その存在の場所からして解りやすいし判りやすい。炉の下の方から噴きつける一次燃焼用の空気調整は炉の下部にある。そして、炉の上の方から噴きつける二次燃焼用の空気調整は炉の上部にある。その位置からして直感で理解しやすいし判別しやすい。
その場所は単に、「解りやすい」「判りやすい」というだけではない。空気の密度が高くして燃焼効率を上げるために温度の低い状態で取り入れたい一次燃焼用の空気は炉の温度を受けにくい下部の灰受け室から取り込んでいる。そして逆に未燃焼ガスを燃やすために少しでも温度の上がった状態で取り入れたい二次燃焼用の空気は温度の高くなった鋳物の熱を少しでも吸収させるべく、前面扉の上部の左右の縦長の長方形のデザイン部分から導いているのだ。ここにも巧みで合理的な設計者の意図が感じられる。
一次燃焼用の空気調整ダイヤルは灰受け室の扉の中央にそのダイヤルがついていることから、灰受け室の扉を開いて空気を送り込むという裏技を使わなくても、ダイヤルを開けばごくごく自然に一次燃焼の空気を、設計者の意図通りに炉内に送りこんでやることができるのだ。灰受け室の開閉頻度を下げることで、ガスケットの寿命を延ばすことにもつながる。そしてダイヤル式の調整のため開度が一目瞭然なのだ。
二次燃焼用の空気調整は前面扉を開けばスリットが目に見えるので開度が確認できる。そして扉を閉じていてもスライドレバーの上部のシンプルかつ明確なアイコンで誰が見ても開度のイメージができるようになっている。前面扉を開いてガスケットの形状や、二次燃焼用の取り入れ口までの隙間を観察すれば、そのスリットに向けて二次燃焼用の空気が流れ込んでいくように設計されているということを実感することができる。
全閉