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メトスとトコナメエプコスの二重断熱煙突・・・大人の事情

メトスと高木工業が共同開発した国産二重断熱煙突は、もう30年の歴史がある。工事をやっていると、精度が高く安心して接続、着脱でき、英国製や中国製とは明らかに違う一歩上の性能を感じることができる。

安心して施工できる国産二重断熱煙突
昨年まではメトスが独占してこの高木工業製の煙突を販売していて、他の会社では入手不可能だった。
それまで他社では英国製、中国製などの輸入品を販売せざるを得ない状況だった。現在では高木工業製を販売できるようになったトコナメエプコス社も「英国製の煙突は世界一」と謳っていたけど、国産の高木製の煙突を販売できる体制を作ったら手のひらを返したように「国産は最高」と謳っている。手に取って触れれば誰でもその製品の良さを感じることができるので、無理もない。
実は数年前からメトスと高木工業の関係が微妙になってきていた。詳しい事情は当事者の会社同士のことなので推測になってしまうけれども、販売店の立場で判ることは、煙突がたくさん売れる時期に欠品が目立つようになってきていた。メトスの注文分に高木工業の生産量が追いついていない感じだった。たぶん、メトスが自社の在庫を絞るために、必要な時にだけ大量発注して、売れない時期には注文しないみたいな感じで高木工業を振り回していたのだろう。
メーカー側の高木工業としては一定の生産量の限界があるわけで、売れない時期にも作っても買い取ってもらえないと仕方ないわけで、ピーク時に合わせた生産能力に増やすことはできずに、一年を通して平均して何とかこなすという流れになっていたのだと思う。
売れない時期に作った分は他で買ってもらえないと、倉庫の保管量だって限界があるし、在庫をそんなに持っても資金繰りができなくなるというわけで、メトス以外の取引先に目を向けたのだろう。
一方、トコナメエプコス社も「英国製最高!」と販売戦略上は謳っていたけれども、実際には日本製の方が性能が明らかに良いことは知っていたはずで、チャンスがあれば日本製を扱いたいと虎視眈々と狙っていたはずだ。そんな両者の思惑が一致して、高木工業はトコナメエプコスにも商品を卸すようになった。
驚くのはメトスが高木工業に対して独占販売できるような契約を結んでいななかったことだ。計画的に一定の高木工業の最大生産能力分を1年を通して買い取るような仕組みにしておけば、他社の入り込む余地はなかったはずなのに、そうしてこなかったツケが回ったのだと思う。
さすがにトコナメエプコスも「箱だけ違って中身が全く同じ」というのはプライドが許さなかったようで、二重煙突のインナー管だけSUS316の仕様になっている。メトス製はインナー、アウターともにSUS304だ。SUS316は耐食性、対酸性がSUS034よりも強い性質があり、石炭などを燃やす場合には適しているけど、薪を燃やす分にはオーバースペックで必ずしもSUS316である必要はない。
そのほかのカプラー(接続部分)形状などは全て同じなので、メトス製もトコナメエプコス製も両方とも互換性があって、接続可能だ。接続してしまうと両社の違いは全く判らないので、トップの形状もトコナメエプコスは先端を絞った台形と若干変えている。
メトスと高木の独占状態が崩れたので、当然のことながら、メトスは煙突の全販売量を高木製だけでは足りなくなってしまった。これまでメトス一社で独占販売していた、高木工業の生産量のかなりをトコナメエプコスに持っていかれてしまっているわけなのだ。そこでメトスは、メトスの取扱量の多い「特約店」にだけ高木工業の国産煙突を販売して、そうでない販売店に対しては、英国製のNOVAの煙突を販売するという、苦しい対応をせざるを得なくなっている。
メトスの煙突と言えば「国産の高品質」と今までは迷わず言えたけれども、これからは国産なのか英国製なのかを確認しないとならなくなる。煙突の品番の頭にNOVAのNがついていたら英国製と判断できる。必ず入手前に製造国を販売店に確認しよう。
食品では産地偽造の問題がマスコミをにぎわせるようになっているけれども、これからは煙突も産地偽造されないように、気をつけよう。消費者もきちんと勉強して、チェックするようにしないと、不利益を受けることになる。高い買い物なので、後悔しないようにしよう。

かわはら

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