「強風の時に、薪ストーブの煙が室内に逆流した」という報告を、薪ストーブを設置したお客様から受けた。
さすがに、私のお客様だけあって、良く観察して状況を報告してくれた。
強風で煙突から風が入り込むタイミングで一度火が消え、その瞬間煙が室内に逆流し、また燃焼が始まる…の繰り返し
このメカニズムは以下の通りだ。
強い風が屋根に当たると、煙突トップ付近の気圧が高くなって、煙突からの排煙を薪ストーブ側(室内側)に押し戻してしまう。煙突から炉内に向けて強烈な風が吹き付けられて、燃えていた薪の炎が消えてしまって煙が発生。煙突からの空気が送り続けられるので、薪ストーブの空気取り入れ口から煙が室内に出てくるのだ。
このように、煙突付近で圧力が高くなる現象が起きる部分のことを「風圧帯」と呼ぶ。これが、極力発生しないようにするためには、煙突トップの高さを、屋根の一番高い棟より高くすれば良いのだけど、そうすると屋根から突き出した煙突の高さが現実的でなくなってしまうケースが多い。(屋根の上から煙突が何メートルも突き出していたら、煙突掃除も難しくなるし、強度も確保できない)
現実的には、煙突掃除の際に煙突トップにアクセスできて、なおかつ台風や地震の際の力に耐えられる高さで設計することになる。強風で問題になるのは、年に数回のわけだから、どこかで妥協する必要があるのだ。
「強風が吹きつける時には薪ストーブの使用を控える」という対策が現実的だけど、「どんな強風の時にでも絶対逆流しない!」ということを求めるならば、現実的にはありえないような高さの煙突にするとか、電動の強制排気ファンをトップにつけるなどの数十万円から100万円程度のコストアップを容認するならば、それもありだ。
でも、(他社施工で)こんな短い煙突でも手で触っただけで、グラグラ揺れるような施工も現実にあるくらいのだから、長い煙突にしたら、どうなるか想像してみて欲しい。