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理想の薪のサイズ

人間の感覚なんて当てにならない。自分で薪を作っている人は心当たりがあると思うけど、計測しながらやらないと巨大な原木だと、その直径にダマされて無意識に長く玉切りしていまう。また「長い薪の方が玉切りの労力が減る」など、手間を減らすために、意識的にも、長めの薪を作ってしまいがちだ。また、薪割する時も直径の太い玉だと、ついつい太目の大きな薪を量産してしまいがちだ。
そもそも、適切な薪の長さ、太さや形状など、きちんと考えたことがあるだろうか?
自分の薪ストーブに入る最大の薪の長さで作っている人もいるだろう。カタログに書いてある寸法は理論的にやっと入るというもので、実際にその長さで使うと、かなり不便だ。炉内で自由に組めなくて扱いにくい。薪棚を作成する際の材料を無駄に使わないで済む90センチの約数で作っていることに合わせて、45センチの薪が最適とか保管の都合で作っている人も多いだろう。このように燃焼に最適な理想の薪のサイズを考えずに、安易に考えている人が多いように思う。
薪の長さが長いと、炉内の高温ではない周辺部分に薪が存在することになり、不完全燃焼の原因になる。炉の中央付近の温度が高い部分に集中的に燃料である薪があった方が効率良く燃焼するのは物理の原則から明らかだ。そういうわけで50-60センチの薪が入る大型ストーブであっても33-35センチ程度の薪の方が良好な燃焼をする。
薪の太さについては太ければ良いというわけではない。これまでの経験から直径が8センチ程度、縦横比が1:1の正方形に近い形状のものが理想だと思う。炉内で組みやすく、組んだ時に燃焼時の炉内の空気の流れを妨げないことが重要だ。「太い方が長持ちする」という誤った考えで太い薪を作る人も多い。しかし実際には火持ちは投入した薪の重量、質量に比例しているだけなので、巨大な薪(というか木の塊)を一個入れても、それを2,3本に割ったものを入れても、薪の持つエネルギーは同じだ。むしろ後者の方がきちんと熾火になって燃えてくれて、きちんと熱を出してくれる。(太い薪の塊だと低温で燻ぶるので煙や煤やタールとしてエネルギーを無駄に捨てているのが実態なのだけど、それを長持ちしていると勘違いしているだけ)

長さは33cm程度が理想

太さは一辺が8cm程度の正方形に近い形状が理想

私の考える理想の薪のサイズはこんな感じ
薪屋さんが作る薪だと、上記の理想のサイズであることは稀で、以下のような巨大な物が多いのが実情だ。

太過ぎて、片手で持つと指が閉じられない

縦横比が1:2とかの板状の断面
「お客さんが太いのを望んでいる」「立派に見える」「太い分には割ればいいけど、割ってしまうと太くならない」等の、もっともらしい理由をつけているけど、本当の理由は単純で「太い方が割る手間が省けてラクに作れてローコスト」だからだ。また、自分で薪ストーブを焚いたことのない人が作っているケースが多いので、形状、サイズによって燃え方が違うなんて全く考えてない。
理想のサイズの薪を作って、お客さんを啓蒙するくらいの薪屋さんはいないだろうか?
私のところで販売している薪も、最近では薪ストーブ設置工事で忙しいので、自分で作りきれずに仕入れているので、仕入れ先によっては、必ずしも理想とは言えないサイズのものも混じるようになってきた。太い薪の場合は割って、適切なサイズにしてから使って欲しい。
市販されている薪ラックなども、30センチ程度の薪でも、サクっと入れられるようにして企画して欲しいと思っている。

View Comments

  • 毎年薪を購入してるヘビーユーザーさんは・・・「太い薪が良い」・・・と言うのですが、実は☆燻し焚き☆で焚いてる現実です。
    火力も導き出さずに...満足してる傾向かもしれません。
    自分も一片の長さ7~8cmに割って、たまに10cm越を作ったりと、お客様にメリハリのある製品を作る様に心がけています。
    自宅用は勿論メガ級もあれば短コロもあって、3夏越したものは良く燃えてくれます。

  • 理想のサイズの薪を作って、お客さんを啓蒙するくらいの薪屋さんはいないだろうか?
    →私はソレを目指してます♪
    しかし・・お客さんの指向は不動産も薪も十人十色です!

  • とても手が回らない薪ストーブショップしか知りません。そう言えば川原さんが昔修行もしたことがあるファイヤーワールド(東京や軽井沢ほか全国にある永和グループ)はかなり以前から岩手県で薪の生産から販売しており25~30センチ薪を高いですが販売をしているますよね。

  • パートナーさま:
    お客様の実態暴露、ありがとうございます。
    そのくらに比率で太いのがたまに混じっているくらいなら良いと思います。メリハリ、大事ですよね。

  • べっちさま:
    仕入れさせていただいている時に、こだわりを感じています。安心して仕入れられます。
    色んな趣向のお客様のニーズを満たすのも大変ですよね。

  • うさぎさま:
    その会社では、短めの薪の良さを解っているのでしょうね。
    値段が高くなるのは、製造コストと手間がかかるから仕方ないと思います。

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