去年の夏くらいに薪ストーブや煙突を設置した現場だけど、その時はリフォーム工事の真っ最中だった。
入居して、落ち着いて、取り扱い説明できる状況になったので、お客様と打ち合わせしてスケジュール調整して訪問した。
工事の時の記事はこちら
現場の状況から、室内の内装壁面を斜めに煙突を貫通させるのが良いと判断した。普通はこの部分にT型の90°の折れ曲がりを使うけど、この現場だと屋根裏の見えない部分での折れ曲がりT字部分での煙突掃除が極めて困難になる。そこで、屋根裏に入らなくても屋根の上の煙突トップからブラシで一気に炉内へ煤を落とせるような配管経路にした。
このように、かわはら薪ストーブ本舗では、メンテナンス性を重視している。施工が難しくても、それは工事の時だけの一時的なことだ。実際にお客様に引き渡した後に、煙突掃除をして使い続ける時のことを優先している。
この部分に既製品の化粧板が使えない(既製品のカネ勾配用の天井化粧板を流用だと上下の金具や木部と干渉する)ので、特注で製作して、それを持参して、レクチャーの前に取り付けさせてもらった。この化粧板を取り付けた壁面は不燃ボード&漆喰なので大工さんが煙突貫通部分だけ楕円に穴を開けておいてくれて、壁面から煙突が出ているだけだったけど、取り合い部分をスマートに見せるようにした。

作業前の貫通部分の様子
あらかじめ、この壁面の内側に煙突固定金具の取り付け用の木下地を入れておいてもらって、地震の際に薪ストーブが、飛び跳ねて転倒することを防止する「かわはら式耐震煙突固定法」を採用した。ちなみに、室内側のこの部分ではスライド煙突を使っていない。(スライド煙突が固定金具の下にあると、地震で飛び跳ねた薪ストーブが煙突を縮ませて、煙突が外れてしまう)
スライド煙突を使わずに折れ曲がり部分の位置と、貫通部分の穴の位置をピタリと合わせるために、ミリ単位で精度の高い設計と施工が求められるチャレンジングな現場だった。スライド煙突で調整代を確保しておけば、現場合わせで楽勝なのだけど、今回はそういうわけにいかない。さらに、この壁面の裏側もエルボでチムニーの真芯まで正確にオフセットさせている。その上も角トップなので、囲いフラッシングのように適当な高さで煙突を伸ばせば良いわけではなく、角トップの内側で煙突を終端させるとということで、全てのポイントで、全く逃げ道がない緊張感のある現場だった。
新築ではなくリフォームなので、薪ストーブ優先だけでの設計はできない。現場状況を見ながら色んな妥協や配慮をして、針の穴を通すような感じだっただけに、作業中はドキドキだったし、完了後の喜びも多かった。打ち合わせの寸法通り、寸分の狂いもなく全てが配置されてないと不可能たった。現実には打ち合わせを重ねても、その通りになってない残念なケースもあるからだ。

斜めに煙突が貫通する部分に化粧板を取り付けた

化粧板の取り付け後に、すぐに火入れしてレクチャー
入居後にお客様が自分なりに使いこなしている様子も確認できた。レクチャーの際も最低限の説明で的確に理解してくれた。特に空気調整をするタイミングで「天板に乗せたヤカンのお湯が沸騰したら」という目安は脱帽だった。

落ち着いた雰囲気の室内に薪ストーブが溶け込んでいる

白熱電灯の明かりと、シーリングファン
ハンターストーブのカタログの見開きページにも採用された「かわはら薪ストーブ本舗」での施工例
お客様からいただいた地ビールを帰宅後飲んだ♪
