他社で施工した案件で「煙突から水が垂れてきた」という相談を受けた。
本来であれば施工店で対応することなのだけど、連絡しても全く対応してくれないそうで、SOSが私のところに入った。とりあえず、呼ばれたら他店施工の物件でも、基本的には行くことにしている。色々勉強になるし、困っているユーザーさんを助けたいからだ。
水漏れ案件は、放置しておくと建物にダメージを与えてしまうので、早めに対応する必要がある。こういうトラブルの時に放置プレーっていうのも凄い勇気あることだと思う。新規でバンバン大量施工している店だと、アフターフォローなんかしている暇がないのだろう。1円にもならない、というか、むしろマイナスだから新規の設置工事をしていた方が良いという判断かもしれない。いくら繁盛している店でもネットで悪口(クチコミ)書かれちゃったら、マイナスになるから、クレームほど速攻対応すべきことだと私は思うけど、そんな心配をする必要がないくらい新規の案件を大量施工しているのだろう。
室内側に水が垂れてきた場合の対応としては、化粧板を取り外して煙突の貫通部分をよく観察しないと、雨漏れなのか、結露なのか判らないので、推測だけで、うっかりしたことは言えない。まずは、吹き抜け上部へアクセスするために二連梯子を室内にかける。室内に長尺物を入れるのは、けっこう大変で神経を遣う。内装にぶつけると簡単に傷ついてしまうからだ。
水がしたたった痕跡がはっきりとついている煙突表面
小屋裏の貫通部分にも水の痕跡が繋がっていた
垂木や、野地板、そして化粧板の裏に雨染みがあるかどうかが観察ポイントだ。あれば雨漏れだし、なければ結露の可能性が高い。ストームカラー部分からの雨漏れの場合には、野地板や垂木には染みがつかずに、煙突だけに痕跡がつくが、その場合にはもっと激しく漏れてくるはずだ。今回のケースは、現場の状況を総合的に考えて、結露と判断した。
外気温で冷やされたフラッシングが、室内側の温かく湿度の高い空気に触れて水滴がつくメカニズムだ。夏に冷たい飲み物を入れたグラスの表面に水滴がつくのと同じことだ。これを防ぐためには室内側(小屋裏)の暖気とフラッシングが触れないようにすれば良い。具体的にはフラッシング内部に断熱材を充填する対策を取る。
セラミックスーパーウールを隙間なく、「これでもかっ」というくらい充填した
これで、今後は水滴が垂れてくることはなくなるだろう。
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