煙突は、工事の後は、ただの黒い筒みたいで、どれも同じに見えてしまいがちだけど、メーカーによって、生産国によって、実は大きく品質、内容が違う。
チェックポイントがいくつかあけど、今回は、その中でも屋外側のT型の蓋で設計思想の違いを解説しよう。
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上の写真だけ見ても、詳しく解説しないと良く解らないと思うので、説明しよう。蓋の取っ手がついている面が単純な丸い板で、それがコネクター部分の筒にカシメられている構造だ。そのため経年劣化で、そのカシメが緩んでしまって丸い板だけが空回りしてしまって、蓋が外れなくなってしまっていた。このように、設置後、数年でメンテナンス時に苦労することになる。今回はピアスビスをぶち込んで、丸い板とコネクター部分を一体化させてからハンマーで叩いてトルクをかけて回して、蓋が取れたら、ピアスビスを貫通させて、出っ張った部分をサンダーで削って応急処置した。
ちなみに、この現場では、過去の台風で、ロッキングバンドも強度不足で外れてしまってトップが飛んでいってしまったそうだ。
また煙突同士のコネクター(カプラー)の部分についても切り欠きになっているので、雨水がインナー管とアウター管の間の断熱材のところに入ってきてしまい、次第に断熱性が損なわれていくという問題もある。
このように、設置直後は問題なくても、数年経過すると色々な問題が出てくるケースが多いのが海外製だ。
一方で国産の二重断熱煙突の蓋は、溶接で全てが一体構造になっているため、「メンテナンス時に蓋が外れない」ということはあり得ない。
またコネクター部分もプレス構造で、切り欠きなしなので、隙間から雨水が断熱材にしみこんでくるということが構造的にない。
パっと見ただけでは、違いを把握するのが難しいかもしれないけど、ディティールを観察すると、このように構造が全く別物で、耐久性、品質、性能が段違いだといことが理解できると思う。
薪ストーブ本体の製造国、メーカーにこだわる以上に、煙突の製造国、メーカーにもこだわって指定するのが良い。
これらのメーカーの煙突の取り扱いが難しい場合には、遠方でも相談してもらえれば対応するので、遠慮なく問い合わせて欲しい。
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