通常の薪ストーブの煙突工事の場合は、屋根の上のチムニー内部や小屋裏に煙突を固定して、そこから室内側へ煙突を繋ぎながら下してくる。
しかし、今回の現場は煙突が一か所も固定されていなくて、全荷重を薪ストーブの口元で受けている、下から煙突を上方向に向かって積み上げていく施工方法が前提の現場の状況だった。チムニー内部のケイカル板は太鼓になっていて木下地はなく固定できない。
途方に暮れているだけでは進まないので、手探りで、進めていく。
まずは既存の薪ストーブを撤去して、新しい薪ストーブを搬入した。
その後、薪ストーブ本体の上に煙突を上方向に積み上げていったが、ある程度高くなってくると不安定になって倒れそうで怖い。とても、そのままでは小屋裏、屋根上のチムニーまで煙突を伸ばせなそうな雰囲気なので、ある程度高くなったところで止めておいて、転倒防止のため、念のため紐で仮固定した。
その状態で、今度は屋根上に行って、チムニー上部から、煙突を降ろす準備をして、一人が上から煙突を降ろし、もう一人が室内側で待機して降りてきた煙突を受けて、仮固定した煙突と接続するという超難易度の高い方法で、なんとか作業をこなした。二人いないと、完了できない状況だった。
今回の現場で使われていた煙突部材はメトスの角トップと高木煙突で、使っている製品は素晴らしいのに、設計と施工方法が理解不能だ。メンテナンスや薪ストーブの交換の際に、煙突を取り外すのが困難で、煙突の取り外しのことまで全く考えられてない施工方法だ。しかも、施工もすごく難しいし、リスクも高い。
なんでこうなったか考えてみると、薪ストーブに詳しくない工務店さん、大工さんの施工だと「スライド煙突」という存在を知らないのかもしれない。そうすると、下から煙突積み上げ方式になってしまうのも無理はないかもしれない。(スライド煙突があると、逆に積み上げ方式だと、スライド煙突が荷重で縮んでしまうので、下から積み上げ方式は難しく、通常の上から下ろしてくる方式でやらざるをえなくなる)
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