一般的な薪ストーブの開閉扉はハンドルが回転式になっていることが多い。そのため扉を閉じる時に左に回すとロックするのか、右に回すとロックするのか分からなくて悩むケースが多い。扉を開ける時にはレバーが引っかかっているので、どちらかにしか回らないので、回る方に力を入れるだけだけど、閉める時にはレバーがフリーになっているタイプの場合、ロックがどこから始まるのかも分からなかったりして、より一層悩みは大きくなる。確実にしっかりロックしてなくても一見すると閉まっているように見えてしまうケースもある。薪ストーブは扉の密閉が極めて重要なので、こういう設計の薪ストーブは慣れるまでは使っていても安心感を得られない。閉じたつもりで半開きになっていて、気づかないまま使い続けていると異常燃焼で薪ストーブにダメージを与えてしまう。使い慣れているオーナーだけなく、使い慣れない家族でも客人でも、誰でも間違えなく安心して使える構造(ユニバーサルデザイン)の方が良いと思う。これから薪ストーブを選択する場合には、こういう普段の使い勝手を重点的にチェックしよう。
その点でもドブレ700SLの前面扉のハンドルは秀逸だ。手前に引き出すとロックが外れて扉がそのまま開き、閉じる時にはハンドルを押し込めば、自動的にロックがかかり、確実に閉まってくれる。
誰でも悩むことなく、間違えなく直感的に、しかも確実な操作ができるユニバーサルデザインだ。さらに、ヒンジや鋳物の精度の良さ、質感の良さが出ていて、閉める時にカチっとした安心感を感じることができるのだ。薪の投入などで普段から触れる機会の多いところなので、こういう感触、安心感、節度感というのはとても重要だ。燃焼性能も抜群だけど、こういうところの作り込みまで配慮されている歴史と伝統の積み重ねは他では得られないものだ。
さらに、大きなガラスに格子がなく余計な装飾が一切ないシンプルなデザインも特徴だ。炎が入っていないカタログや展示品を見ると「つまらない」「迫力ない」と感じてしまうこともあるかもしれないけど、薪ストーブは炎が入っている時にこそ本領を発揮するのだ。他のものに邪魔されることなく純粋に炎を楽しめる。派手なデザインだと長期間使っていると飽きてしまうこともあるけど、シンプルで良質なものは飽きがこないのだ。
ベルギー製の薪ストーブの前でベルギービールをいただく
(一眼でホワイトバランス調整して撮影)