ネスターマーチンを買う気マンマンでのお客様のご来店。
事前に判っていたので、来店前に火を入れておいてオーロラ状態にしておくという反則技(?)もありだったかもしれないけど、火が入っていると内部の構造などを実際に見せての説明ができないし、立ち上げ時の操作など体感してもらえなくなるので、敢えて火を入れない状態で待機。時間をかけずにあっさり「オーロラ炎凄いです!」ってやるのは簡単だけど・・・。
ご来店いただいてから、まずは内部の構造を見てもらう。その後で焚付けから巡航運転に入るまで実際に見てもらった。このことでネスターマーチンS33の焚付け時にフロント扉を微妙に開けて空気を送るテクニックが必要なことや、本体の内部が三重構造になっているため温度の上がり方が遅いこと、フロント扉を開くと煙が室内側に漏れやすいことなど体感して理解してもらった。
1時間くらいかけて巡航状態になり、ネスターマーチン独特のオーロラ炎が出るまでしっかりと時間をかけて対応した。ネガティブ情報も含めて、きっちりと説明をして良い点、悪い点の両方を客観的に伝えた。マイナス情報も含めて納得してもらって購入いただきたいのだ。元々ネスターマーチンの指名だったので、全て話してからも、このままネスターマーチンに決まりそうな雰囲気だった。
その後で軽く「せっかくだから、ついでに隣のドブレ700SLも見てみますか?」と軽く振ってみた。
ガツンとフルパワーで焚いてわずか30分くらいで立ち上がるレスポンスの良さ、そして立ち上げ時に、フロント扉を開くようなテクニックなど不要な操作性の良さを実感されていた。
ネスターマーチンS33はマニュアルのスポーツカー、ドブレ700SLはオートマのワゴン車みたいな全く異なる性質の薪ストーブなので当たり前だけど、実際のお客様の使用状況を考えるとドブレ700SLの方が合っていると感じたようで、ドブレ700SLに気持ちが傾いてきたようだ。700SLを見せなければ、ネスターマーチンに決まっていたと思うけど、比較すれば違いは明らかなのだ。
さて、最終決断は、どちらになるのか楽しみだ。
ネスターマーチンS33とドブレ700SLの比較
両機種とも立ち上げからオーロラ炎を出して安定燃焼するまで焚いての比較
ネスターマーチンS33、ドブレ700SLのどちらも高品質なベルギー製の薪ストーブで、甲乙つけ難い綺麗なオーロラの炎が出まくりだった。しかし、そこに至るまでの過程は全然違う。本当の意味で自分に合った機種を見つけてもらえるとうれしい。
ドブレ700SLを本気焚きした時の二次燃焼の状態
空気調整とダンパー調整をした時の煙が出ない極限状態の炉内の様子
ドブレ700SLの青白いオーロラ炎(薪から立ち上がったガスが燃焼)
ドブレ700SLはダンパーをつける前にはネスターマーチンのオーロラの美しさに明らかに負けていたけど、ダンパー設置後には、これらの写真のように、自由自在にオーロラを制御できるようになったので、あらゆる状況で自信を持って勧めることができるようになった。(使い勝手や質感はもちろんのこと、パワー、燃費、炎の美しさともに申し分ない)
これからドブレ700SLの設置を検討している人は、ぜひともダンパーも同時に設定しておくべきだし、もう既にダンパーなしで運用している人はダンパーの後付けを検討すると良いと思う。
12月24日(昨日)のデータ
■クリック数 43 (7.4%)
■アクセス数 583
《記事が面白いと思ったら上の画像クリックをお願いします。翌日の記事で本日分の情報を公開します》
View Comments
『針葉樹が燃やせる』というキャッチフレーズは強力ですよね。どうしてもスギ林が多い日本ですから薪を自家生産しようと思ったときに強力な判断材料になりますから。
薪の樹種や太さや量などストーブをきちんと使う技を身につけることが大事だと思ってます。
例の改造はその時だけでなくその後も継続してくれている様子もわかりました。ありがとうございます!
pumkin headさま:
おっしゃる通りで針葉樹を焚けるという宣伝文句は強力ですねぇ。
実際には他のメーカーの機種でも焚けないことはないし、使い方次第なのですけどね。
ソープストーンによる蓄熱は良い効果が確認できましたので、そのまま継続しています。こちらこそ、ありがとうございます。
針葉樹と言えば、よくわからないというか、ここの所調子の良い事があります。
今度川原さんの薪が来るまでまともな薪が完全に切れてしまい、建築廃材中心に、代替薪や段ボールまで燃やしています。
ノザキ2300ガラスガスケットメンテナンス後、どういうわけか、針葉樹系建築廃材やオガライトなどのやや燃えすぎる傾向の燃料が、樫などより更に安定した美しい火炎を見せてくれます。熾きも直ぐに崩れません。
もしかすると、空気の制御がちゃんと出来てさえいれば、多少のもちの違いとかあっても、実は薪ストーブにより向いているという事はないでしょうか?
今年は取っていないのですが、唐松とか改めて焚いてみたいですね。
ただ、ネスタマーチンの以前の動画で、川上社長がさりげなく、さんざ針葉樹針葉樹と強調したあげく、でも住宅街の方は針葉樹はやめといて下さい、と何食わぬ顔で一言言っていたのが気になります。
山口透さま:
きちんと炉内の空気の流れが制御されていれば、針葉樹でも問題なく焚けるようになりますよね。
高温になりやすい、乾燥しやすいというメリットは大きいと思います。
川上社長はパフォーマーですからねぇ。その発言の趣旨は何だったのでしょうねぇ。
土曜日に30センチの長さの2年乾燥の極上薪をお持ちしますので、お楽しみに!
川原さんはビンテージ乾燥薪を一杯お持ちのせいか大好きなオーロラを出しまくってますね。
それに比べると米国メーカーで特に触媒機は高温になる針葉樹は厳禁とか?
針葉樹でも乾燥十分であるなら遜色なく焚ける優良メーカーはネスターマーティンのほかに”オーロラでも有名な”
「岡本のAGNI」や「日鉄工営」など
最近の優良国産メーカーに多いですね。
楢林御炉裸さま:
触媒が高温でNGならば、岡本のAGNIも触媒ですから米国製が針葉樹を焚けないという理由は触媒だけではなさそうですねぇ。たぶん、ダンパーの切り替えの問題だと思います。
日鉄工営の薪ストーブは現物を見たことがないので何とも言えませんが、重量が軽く蓄熱しなそうですね。何となく焼却炉的なイメージで、モキストーブとイメージが重なってしまいますので、個人的にはちょっと好みではありません。
岡本のAGNIは現物を見たことがあります。こちらはなかなか良いストーブだと思います。
ヴィンテージ50と700では燃費はどちらがよいのでしょうか?
ロンさま:
使い方次第ですが、どちらも同じくらいの燃費です。
カワハラ様
成るほどです!
岡本の国産鋳物製AGNIにダンパーはありませんね。
カワハラさんがなかなか良いと言うなら燃えている炎や現物を見たいものです。
もう直ぐAGNIの中型版が新登場するようです。
あと日鉄工営のは鋳物ではなく鋼板製で蓄熱性は低いでしょうね。
モキに似てるとは言い得て妙!
高温で鋳物より強い分、針葉樹で
壊れないだけかもしれませんが、モキとの大きい違いは20年保証がある信頼性のようです。
楢林御炉裸さま:
AGNIは現物に火が入っているところを見る価値があると思います。現行モデルは大型機種なので、日本の住宅事情に合わせたミドルサイズの発売が楽しみですね。
鋳物なら国産の岡本AGNI、ソープストーンならばアメリカ製になってしまいますが、ハースストーン社のものが総合的にみて、煙の少なさやオーロラの綺麗さなどからお勧めできると思います。
鋼鉄製のお勧めは、また改めて記事にします。