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針葉樹について

「薪ストーブでは針葉樹を焚いてはいけない!」という迷信がある。それから最近では「針葉樹も安心して焚ける薪ストーブ」みたいなキャッチフレーズがあり、普通の薪ストーブでは針葉樹は焚いていけなくて、その薪ストーブだけが優れているみたいな印象を受けてしまう広告だ。
しかし、冷静に考えてみると、薪ストーブの本場の北欧で焚かれている薪は針葉樹が中心だ。なぜ、同じ薪ストーブが日本に輸入されると燃料として針葉樹はダメになってしまうのだろう?
「広葉樹でないとダメ」というのは、燃焼時に温度が上がりやすいので、きちんと温度管理をしないと薪ストーブを痛めてしまうということから、故障時の責任を取りたくない業者の自己保身のための説明がはじまりであろう。温度の高くなりにくい広葉樹を焚けば問題になりにくいわけだ。特に可動部分が本体に内蔵されている米国製の触媒の機種は高温に弱いので、そういう迷信がまかり通っているのだと思う。
針葉樹について、むしろ薪ストーブの炉内の温度が低い時には、早く火がついて、温度が上がりやすいという針葉樹の性質を積極的に使ってやる方が合理的だと思う。いつまでも針葉樹をバンバン焚いていても温度が上がり過ぎてしまったり、熾き火になりにくく火持ちが良くないので薪の投入頻度が多くなる。ある程度薪ストーブが温まったら広葉樹に切り替えてやるというのが一番快適で合理的な使用方法だと思う。
「針葉樹だと煤や煙が出やすい」というのは、どうかと思う。実際に煤や煙は、樹種よりも乾燥度合いの影響の方がはるかに大きい。乾燥の甘い広葉樹を焚くと、薪ストーブのガラスは煤けたり、曇ったりしてしまう。もちろんその場合には煙突にだって煤が付着してしまう。しかし、十分に乾燥した針葉樹であれば、全くガラスは煤けないでクリーンな燃焼だ。100パーセント杉やヒノキの針葉樹のみを使って焚いても問題ない。
また針葉樹は広葉樹に比較して同じ容積で比較すると軽いので、重量ベースで同じ熱量を出すためにはたくさんの量を必要とする。同じだけ暖める薪の量が増えるので保管スペースが多く必要となるということは運用上はある。そこで薪集めの際には、針葉樹1-2割、広葉樹8-9割程度の比率で集めるのが一番合理的だと思う。針葉樹を極端に毛嫌いしないで、上手に使いこなしたい。日本では杉やヒノキなどの針葉樹も多いし、カラマツなども無尽蔵に入手可能なエリアもある。身近に針葉樹がある場合には、ぜひとも活用しよう。
注意点としては、高温になりやすいので、炉内の状況に応じた適切な太さの薪を選択することだ。温度が低い時には細くて短いものを、温度が上がったら相似形で太くて長いものへと少しづつ移行させていくのが理想的だ。太くて長い薪だと温度も上がり過ぎずに適度に火持ちしてくれるからだ。

かわはら

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