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住宅地での薪ストーブ問題

新年早々、ヤフーニュースで、住宅地での薪ストーブ問題の記事が上がっていた。

「この時季になると憂鬱(ゆううつ)になることがあります。隣家のまきストーブの臭いです」。長野県の南信地域に住む50代の女性が本紙「声のチカラ」に悩みを寄せた。朝から晩までまきを燃やす臭いが鼻をつき

この記事の内容だけど「薪の含水率が10パーセントの場合」とか言っている時点で、リサーチ不足でイマイチ信頼性に欠けると思ってしまう。「平衡含水率」について知っているのか、あるいは含水率計の正しい使い方を知らないのでは、正確なデータが取れてないということだ。しかし、乾燥薪と、未乾燥の薪の傾向を知る上では、外してないので許容範囲ではあるが・・・。

ヤフーニュースのスクリーンショット

コメント数ランキング365件/hourで、ぶっちぎりの1位だった。それだけ、この時期に住宅地での薪ストーブ使用について、気にしている人が多いということだろう。昨晩確認したときは2400件コメントがついていて、全部読むのが大変だった。今朝、このブログの記事を書く時点では3678件のコメントで、もう全部読むのは無理な感じだ。しかし、なんとなくの傾向はつかんだ。

瞬間風速がすごくて、ぶっちりぎのナンバー1

住宅地での薪ストーブ使用について、一概に断言することは難しい。

今回紹介したヤフーニュースの記事にあるように、その年の春夏に割った薪を半年後の冬に焚くという明らかな乾燥不足の薪を使って、煙や煤、タールを大量発生させているという使い方の人もいるし、乾燥不足の薪だけでなく、接着剤で固めた合板、塗料や防腐剤が塗ってある廃材、そしてプラスチックなどのゴミ類を焼却炉のように使っているユーザーもいることは否めない。また、ある程度乾燥した薪を使っていても、空気を極端に絞って燻らせていたり、極端に太い薪を使って不完全燃焼させている誤った使い方しているユーザーも多い。コメント欄で「洗濯物に臭いがつく」「駐車場の車や家の外壁に煤がつく」みたいな事例は、こういう使い方をしている「不良ユーザー」の近隣住民だと思われる。

一方で割った状態で、雨の当たらない状態でしっかり2-3年乾燥させて、なおかつ一辺が6センチ程度の広葉樹を使って、目視確認できる煙はほとんど出さず、煙突掃除や炉内メンテを1シーズンに1回きっちり行っている「優良ユーザー」もいる。

不良ユーザーと優良ユーザーについて、上記の定義づけをしてみたが、比率で言ったら、不良ユーザーの方が圧倒的に多いのが実態だろうと思う。車で走っていて、煙突から煙モクモク発生させている家を目撃したり、煙突掃除で訪問した時の煤の付着状況から推測できる比率からの、個人的推測で根拠はないけど、そう外してはいないと思っている。

一方で「自分は優良ユーザーだから大丈夫」というわけにはいかない。理想的な薪ストーブの使い方をしていても「臭い」「匂い」に関しては、ゼロにはならないという事実だ。気にならない人もいるし、気にする人もいるということは認識しておいた方が良い。問題とならないケースの方が多いけど、近隣にもし「少しの臭いでも許さない」という人がいたら、問題となる可能性が出てくる。

住宅地での薪ストーブ使用の場合には、「隣近所で洗濯物や布団を干している、晴れた日の日中には薪ストーブは使わない」という自主規制をしておいた方が無難だと思う。その自主規制を別の言い方をすれば、「薪ストーブを使うのは、雨や雪の日と、夜だけにする」ということだ。これだけで、大幅にクレームの可能性を減らすことができると思う。

住宅地で薪ストーブを使う場合には、正しい使い方をするのは言うまでもないけど、万一、苦情が来た時には、「焚く時間帯、洗濯物や布団の有無、風向きを考慮した使い方で、適切に薪ストーブを使用中である」など説明責任を持つ意識の覚悟をもって欲しい。

それから、近所との人間関係も大切だ。「向こう三軒両隣」という言い方もあるけど、その範囲の住民との良好な交流、挨拶、会話が普段からできているのかというのも大切だ。良好な関係が築けていても、クレームはその範囲の外から来る可能性も高いけど、「向こう三軒両隣」との良好な関係が築けていれば、万一、その範囲の外から苦情が来た時には、回避する際の有効な力添えになってくれるだろう。

かわはら薪ストーブ本舗では、せっかく薪ストーブを導入したお客様が、そのようなクレームを受けないように、設置工事をしたらそれで終わりということではなく、ユーザーの環境に応じて、しっかり時間をかけて使い方のレクチャーをしている。

そもそも煙を出さない焚きつけ方法の三原則として経験上;

A, 乾燥薪
B, 小割と細割を沢山用意してから
C, 組み方と上から着火

それぞれの効果は、経験上、以下の係数で真逆の場合と比較して煙の量を減らすことができる。

A=1/10
B=3/1
C=2/1

つまり、上記の技を丁寧に合わせることで10×3×2=1/60位に劇的に減らせる。このことで、隣の家から煙突を見ても、目視確認できない程度の煙での焚きつけも可能となる。

なお、具体的な着火方法、薪の焚き方については以下の動画で詳しく解説している。

快適、安心、快適な薪ストーブライフを送るために必須条件の乾燥した良質な薪の作り方は以下の動画で詳しく解説している。

また、これから薪ストーブの導入を検討している人に対しては、甘く考えないように、以下の動画を作成しているので、参考にして欲しい。

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