鉄の薪ストーブと石の蓄熱型の薪ストーブは何が違うのか?

アルテックの重量890kgのソープストーン製の蓄熱型薪ストーブMAX MASSIV Wの内部構造や燃焼の様子について紹介してきたけど、よくある一般的な鉄の薪ストーブと比較して、何が違うのかということを具体的に説明していこう。

「とにかく早く温まりたい」「部屋が温まれば違いはどうでもいい」「薪ストーブなんて何でも同じでしょ?」という人は、鉄の薪ストーブでも良いかもしれない。

しかしながら、どうせ、それなりの金額を払って薪ストーブを導入するのであれば、一歩踏み込んで満足度の高い製品を選択した方が後悔することがない。

鉄の薪ストーブが寿命を迎えて2台目や3台目にソープストーンの薪ストーブを選択したお客様の満足度が高いことは特筆できるのだけど、さらに一歩上を行く、蓄熱型のソープストーンの薪ストーブを知らないのはもったいない。

端的に解りやすい言葉で説明すると「蓄熱型のソープストーンの薪ストーブは心地良く、柔らかい暖かさで、燃費が良い」に対して、「鉄の薪ストーブは強烈なような熱さで燃費が悪い」ということになる。こればかりは、実感、体感してもらわないと、なかなか本当の意味での理解はできないことだと思う。

今回の記事では、言葉でイメージを伝えるだけでなく、数字と事実で客観的に蓄熱型のソープストーンの薪ストーブの特徴、魅力について説明していく。

まず鉄の薪ストーブは機種にもよるけど、表面温度が250-300℃程度と比較的高い。「表面温度が高ければ高いほど部屋が暖かくなる」と一般的なイメージで考えてしまう人が多いけど、実はその逆だ。薪ストーブの表面温度が高いと、薪ストーブ付近の空気が熱せられて、天井付近の室温がかなり高くなる。その結果、室内の空気の対流が発生して床付近の温度が低くなるという現象が発生する。

鉄の薪ストーブの室内温度の分布

このため、鉄の薪ストーブの場合は以下のような問題が生じるケースが多々ある。

1.頭はのぼせるように暑いけど、足元が何故か寒く冷え込む
2.環境によってはホコリが舞い散ることがある
3.天井付近の高温により、屋外との温度差で部屋の暖気が逃げやすくなる
4.薪ストーブの近くは熱い、離れると寒い

一方でソープストーンの薪ストーブの薪ストーブの場合は機種にもよるが、表面温度は80-100℃程度と、鉄の薪ストーブと比較して、明らかに低い。熱源の温度が低いと、高温の鉄の薪ストーブの時に生じたネガティブな部分が発生しづらくなる。つまり、部屋の空気が対流しづらくなるので、以下のようなメリットが出てくる。

1.天井付近と床付近の温度差が小さく、室内の温度分布が均一に近くなり快適
2.対流が発生しづらく、ホコリが舞い散ることも少ない
3.天井付近が極端な高温にならないので、屋外との温度差も小さく暖気の逃げも少ない
4.比較的低温の表面温度で発生する遠赤外線の効果で、薪ストーブが見える場所であれば、離れていても暖かい

ソープストーンの薪ストーブの室内温度の分布

このように、鉄の薪ストーブと比較すると、快適性は、数値から見ても次元が違うことが理解できると思う。

さらに、ソープストーンの薪ストーブの魅力は快適性だけではない。薪の消費量も激減する。

実際に室内に設置した鉄の薪ストーブの表面温度、薪の投入量、室温の推移のグラフだ。

鉄の薪ストーブの表面温度と室温と薪の投入量の関係

このグラフから判るように、薪を投入すると薪ストーブの表面温度が上がり、投入を止めると表面温度が速やかに下がっていく。室温も薪ストーブを焚いている時には上がり、薪の投入を止めると下がってしまう。室温を維持するためには、薪ストーブを焚き続ける必要があり、薪の消費量は焚く時間に比例して爆増する。

一方のソープストーンの薪ストーブの場合の表面温度、薪の投入量、室温の推移のグラフだ。

蓄熱型の薪ストーブの表面温度、室温、薪の投入量の推移

「一度ガツンと3時間位焚いてしまえば、次に焚くのは12時間後で良い」ということに尽きる。その間は蓄熱しているソープストーンから、穏やかな遠赤外線が放出され続けるので、連続燃焼させなくても、ずっと室温を維持してくれる。そのため、薪の消費量も鉄の薪ストーブと比較にならないほど少ないし、鉄の薪ストーブでよくある事例の「寝ている間とか、外出している間に薪をくべられなくて、燃え尽きて消えてしまい室温を維持できなくなる」という問題が発生しなくなる。薪ストーブのお世話をし続けることなく、12時間ごとに焚くだけで済むというのは、ライフスタイルに合わせやすいと思う。

鉄の薪ストーブで「一晩、火を持たせたいがために、無理やり大量の薪を突っ込んで不完全燃焼させたりする」ような、無理、無茶な使い方をしないで済む。

普通に朝と夕方に一回づつ焚くだけで、一定の室温を保ち続けてくれることも、蓄熱型の薪ストーブのメリットだ。

蓄熱型のソープストーンの薪ストーブのデメリットとしては、3時間程度焚き続けないと、1000kg近いソープストーンが蓄熱してくれないので「別荘到着後、帰宅後などに火を入れて、30分とか1時間ですぐに暖かさを感じたい」というニーズには向かない。しかし、定住してて毎日焚く場合には、立ち上がりの遅さは気にすることのないので、メリットの方が大きくなる。焚き続けることなく12時間ごとに焚けば室温を維持し続けてくれるという方が、さまざまなライフスタイルに合わせやすいだろう。

実際の上記のアルテック社で行った実験データで、鉄の薪ストーブで一日焚いた場合は27.7kg(私の今までの経験でも1日あたり30kg程度の使用量というのが一般的な感じなので、納得できる数字だと思う)だったのに対して、蓄熱型の薪ストーブの場合は17kgと、一日あたり10kg少なくて済む。半分までとは言わないが、6割程度の使用量となる。自分で薪を作っている人も、薪を買っている人も、6割の量で済むという燃費の良さは助かる人も多いだろう。

本体だけで約200万円という価格や、広い設置スペースを要求されること、オプションの蓄熱ストーンも含めれば1000キロ超の重量を受ける基礎(建築)の問題がクリアできれば、お勧めの究極の薪ストーブだ。どんな家にでも設置できるわけではないけれども、設置できる状況であれば、非常に満足度が高い製品だ。

「蓄熱型ではない普通のソープストーンの薪ストーブと、蓄熱型のソープストーンの薪ストーブの違いは何か?」と疑問に思う人も多いだろう。簡単に言うと、普通の蓄熱型でないソープストーンの薪ストーブ(グランデノーブル等)は、3時間だけ焚けば、その後は全く焚かなくても室温を12時間維持できるほど蓄熱、放熱するだけの熱容量はなく、室温を維持するめには焚き続ける必要があるということだ。焚き続けて、最後の薪を投入した後の蓄熱が鉄の薪ストーブよりは大きいので、翌朝になった時でも本体が冷たくなるということなく、体温以上の暖かい状態で立ち上がりが有利ということだ。

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