昨日、歌手のUAの自宅兼スタジオが火事で全焼したらしい。
薪ストーブは一階の居間に設置されていて「天井が燃えていた」という目撃証言から、薪ストーブから燃え移ったというよりも、煙突の施工ミスあるいは、煙道火災だと思われる。
煙突の施工ミスというのは、煙突の貫通部の可燃物と煙突との距離が不足している場合だ。二重断熱煙突の場合にはかなり近づいていても大丈夫だけど、シングル管だったり、二重でも中空の場合には意外と周辺に対する熱負荷が大きいので、メガネ石だけでは断熱不足だ。DIYや慣れない工務店や大工さんによる施工では見落としがちなポイントなので施工の際には十分にチェックするようにしよう。もちろん施工後も不安がある場合には、早急な診断と対策が必要だ。薪ストーブが原因の火災ではこれが一番多いケースだと思う。
煙道火災というのは、煙突掃除を怠った場合に発生する。煙突内に溜まった煤に燃焼中の薪ストーブから引火してしまうのだ。こうなるとロケットのような燃焼となり、煙突から火柱が立ち上がり火の粉を周辺に振り撒く。そして、煙突内の温度は1000℃に達する。二重断熱煙突でおも煙突の表面温度が数百℃となり、家屋の木部に引火する。こうならないように、煙突掃除は定期的に行おう。
シーズンに入って薪ストーブを使用する前の、煙突掃除や、工事の点検、評価の依頼もコンサルティングとして受け付けているので、気軽にコメントまたはメールで問い合わせして下さい。
ところで、一般の人が考えるような「薪ストーブからの出火」というのはどうかと思う。
薪ストーブは鉄の箱の中で薪が燃えているわけだから、そこから火の粉が飛んだり、熾き火が転げだして可燃物に燃え移るということは考えにくい。薪ストーブ付近からの場合にはカーテンや洗濯物が接触したということが考えられるが、今回のケースではそれはないだろう。よく就寝時や外出時に薪ストーブを消さなくてはいけないみたいな考え方があるが、消さないで点けっぱなしで問題ない。
薪ストーブ付近からの出火の場合、使っている機種によりどのくらい放熱するかが違うのだが、炉台周りの断熱不足の施工ミスのケースもある。薪ストーブ炉壁と壁の間のクリアランスがない、また忘れがちなのが炉台と床面のクリアランスだ。タイルやレンガを直接フローリングの上に敷いただけだと断熱不足で危険なケースもある。
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