これからが煙突掃除や薪ストーブのメンテナンスの本番のシーズンだ。
「室内側から煙突の内部をブラシで上部に向けて突けばOK」みたいに安易に考えている人もいるみたいだけど、実際にはそれだけでは不足だ。トップ部分に詰まった煤には全くブラシが届かないからだ。排煙部分が煤で詰まれば、いくら煙突内部を綺麗にしたところで煙は抜けていかない。結局は、屋根の上でトップを取り外して掃除する必要がある。


結局は、屋根の上での作業は回避できないわけなので、上からブラシを通して下で煤を回収した方が、室内側が汚れ難くて合理的だ。
そういうわけで、煙突掃除はトップ部分へアクセスすることが必須なので、その点に配慮した設計をすることが望ましい。これから新築で薪ストーブを導入したいと計画している時には、心理的に舞い上がっていて「煙突掃除は毎年のこと」ということを忘れがちだけど、合理的なトップへのアクセスルートを考えているかどうかで作業性、安全性が大きく違ってくる。
新築の設計段階から薪ストーブ導入の相談を受けた場合には、この煙突トップへのアクセス経路を一番重視している。ユーザーが自分でもできるようにしておけば、煙突掃除やメンテナンス代の費用を削減できる。私が煙突掃除の依頼を受けた場合の一回3万円だとしても、30年で90万円の節約ができる。実際にはもっと高いケースも多いわけで、煙突掃除やメンテナンス性の良し悪しで100万円近いランニングコストが違ってくるわけだ。多少設置時のイニシャルコストがかかったとしても、ランニングコストで、簡単に逆転してしまう。

雪止め付きに瓦を要所要所に配置して、煙突へのアクセス経路を確保した


コメント
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煙道火災は寒い外気にさらされ屋根から上の部分で発火するので、
トップ掃除が一番肝心です。
あと屋根の流し方は重要。
東西南北だけで4通りになり、リク屋根ならその倍の組み合わせ?
部屋取りが変わるのと、雨、雪、日照、勾配など設計士さんがアドバイスしない場合は実際の生活に凄く影響します。上手にやると家のベランダや玄関の雨や雪、スス、カビやら防げますね。
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雪止め瓦は目から鱗です。
安価ですから要所に配置したいですね。
現在の瓦屋根施工ガイドライン(基準)は全数釘留めですから安心です。
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うさぎさま:
煙突周りは家の設計に大きく関わってきますから、上手くやらないと大変なことになりますねぇ。
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yamadagagaさま:
必ずしも基準どおりに全部釘打ちしてないケースもあるのですが、それでも瓦同士がハマってますから、多少のことでは、ずり落ちたりしませんよね。
雪止めに全体重が集中するわけでもないですし、滑り防止のために軽く足に当たるくらいが現実ですが、安心感が全然違います。