「新築住宅に薪ストーブを取りつけたい」という案件で設計図を見せてもらったら、二階の壁面を煙突貫通させて屋外を立ち上げるというパターンだった。このパターンだと煙突掃除がしにくいし、折れ曲がりの後の立ち上がり長さが不足でドラフトもイマイチで良いことが何もない。
そこで巨大チムニーを二階の大屋根の上まで立ち上げてしまって、真っすぐな煙突にして雨仕舞も有利な角トップの提案をした。

採用された巨大チムニーのプラン

煙突掃除の際もチムニーに身体を預けたり、道具を水上側に置けるので、安全かつ確実にメンテナンス作業ができる
このプランが採用されたが、工法上の問題がある。通常のパターンで建築工事を先にバンバン進めてしまってチムニーを作ってしまうと、チムニーの中間部分付近で煙突を固定することができなくなる。チムニーの上下だけで固定するならば、後から煙突をロープで吊り上げる作戦もありなのだけど、地震に対する強度を考えると長いチムニーの中間地点でもガッチリと煙突を固定したい。

三面だけ作ってから、煙突を通して固定して、最後に残りの壁面を仕上げる

チムニーの中間部分付近でも支持金具で、煙突を固定する

建築工事のかなり初期の段階で煙突をつけてしまう作戦で対応
ちなみにメトスの角トップは、雨仕舞にストームカラーを使わず、上下の縁が切れている設計なので、煙突の設置後でも簡単に取り外すことができる。煙突はチムニー内部の角トップの本体の下側に存在する形だ。そのためベースから角トップ本体を取り外す際もボルト4本外すだけで済む。そのため外壁のサイディングや鈑金の工期が後になる場合でも、角トップ本体を上に持ち上げるだけで外壁の施工できるので、角トップのスカート部分が邪魔になることはない。
そこで、煙突をチムニー内に固定してから、最後の一面の内側ケイカル&外壁下地ベニヤを仕上げるという変則的な工法を取らせてもらった。この方法だと綿密にスケジュール調整して工事の日取りを組む必要がある。ここのところ雨降りが多かったので、かなり綱渡り的だったが、無事に完了できてホッとした。
完成は来春予定なので、実際に薪ストーブを使いはじめるのは、次の次の冬なので、完成した状態を紹介できるのは、まだ当分先になる。でも、この段階から関わらせてもらえたからこそのベストな提案ができたと思う。

