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ドリルで回転式の煙突掃除ブラシ体験レポート

私の場合は依頼を受けて煙突掃除をする場合、基本的には屋根の上から煙突トップを取り外して、上からブラシを通して炉内に煤を落として作業している。煙突トップの網やルーバーに付着したり、角トップ内部の煤を確実に綺麗にすることができるからだ。

単純に下から、普通のブラシを突き上げただけだと、煙突内部は掃除できるけど、煙突トップは物理的にブラシが届かないので、隙間や金網が詰まってしまって、最終的には煙突トップを取りはずして掃除する必要がある。

しかし、最近ではドリルの回転力を使ってナイロンブラシをドリルの回転力で遠心力で膨らませて広げて、室内側の下から煙突掃除できる新しいツールが入手できるようになってきたので、これだと条件が整えばトップまで掃除できるので、とりあえず試してみた。いきなりお客様のところで使うのは怖いので、まずはショールームでテストして、ダメ出ししてから、数回お客様のところでも使ってみたので、その体験レポートだ。

このツールの仕組みや原理から、トップから煤が大量に飛び散ることになる。近隣に住宅がなくて苦情が出ない環境であれば、気にしないで使っても良いが、住宅密集地では要注意だ。隣の家のベランダで洗濯物や布団などを干している状況で作業したらクレームとなる可能性が極めて高いので避けておいた方が無難だ。クリーニング代を請求されるとか、薪ストーブの使用を中止せざるを得ないような状況に追い込まれることも考慮に入れて、このツールを使用しての作業の可否を慎重に判断しよう。

私がプロとしてお客様宅で作業するときは、そういう可能性がありそうな現場ではこのツールは使わないで、従来の上からの煙突掃除を行う。もし、煙突掃除の依頼を受けて、このツールしか持って行かないで、周辺の環境に依存して「今日は作業できません」って帰ってくるわけにはいかないからだ。どんな現場でも確実に作業するためには、このツールだけでなく、上から掃除する従来のブラシも必要となる。

しかしながら、ユーザー自ら下から掃除できる回転式のブラシのこのツールを所有して「曇りや夕方で近所に洗濯物や布団がない」タイミングを上手くとらえて作業できるならば、ありかもしれない。極端な話、雨の日や夜でも作業できるわけだ。

まずはトップにアクセスして、構造や形状を確認する

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周辺の環境から、回転ブラシを使っても問題ないと判断できる場合にも、盲目的に使うわけにもいかない。使用前にトップの形状や構造も見極める必要がある。金網や風除けの整流版がトップについている場合には、ナイロンブラシが引っかかって、金網やトップを破損したり、逆にロッドが折れるリスクが高い。(実際に初回のショールームでのテストで角トップ内部の整流板にブラシが引っかかって、いきなりロッドが折れた)単純な構造のトップの場合にはそういう事故は起きにくいが、使って大丈夫な構造のトップかどうか見極める必要がある。それが判らない状態では、怖くて使うことはできない。ユーザーが自宅のトップの形状が、このブラシを使っても大丈夫と判っている場合には良いけど、プロとして仕事の現場で使う私は、トップがどんな仕組みや形状か判らないお客様宅で、確認なしでは使えない。自分で見極められない人は、一度プロに点検してもらってからの方が無難だと思う。


初使用で、整流板にナイロンブラシがひっかかって、いきなり折れたロッド

煙突上部で折れて取り残されたブラシを回収するために屋根の上に行くことになった。まだ、上部で折れたから回収できたけど、煙突途中の折れ曲がり部分などに引っかかったりしたら、最悪の場合には煙突工事をやり直しになると考えると怖くなった。

屋根の上に登らなくても煙突掃除できるのは大きなメリットだけど、お客様宅で、煙突トップやツールの破損のリスクを回避して安心して使うためには、作業前に屋根に上って、煙突トップにアクセスして、形状や仕組みを確認する必要がある。場合によっては金網を取り外すという事前準備が必要になる。

こういう鳥除けの金網があるとブラシがひっかかって、金網を破損するリスクが高い

そうなると、屋根の上で煙突トップを自分の手で触れているわけなので、この回転ブラシを使わなくても、普通のブラシでトップから炉内に煤を落としてしまえば済んでしまうわけだ。そういうわけで「確実に問題なく使えると判っている環境」ではラクチン作業で楽勝なのだけど、そういう現場は全体の1割程度なので、このツールばかりに頼るわけにはいかない。

本物の暖炉での煙突掃除の依頼が入ったので、まずは煙突トップにアクセスして鳥除けの金網を撤去してから、このツールを使って作業してみた。


煤が室内に飛び散らないように慎重に養生して作業するが、室内への煤の飛散はゼロというわけにはいかない


先日点検に行った本物の暖炉の煙突からどっさりバケツ一杯分の煤を回収

全ての現場では使えないけど、無理なく使える現場では、とても便利」というのが感想だ。屋根の上に登るのが困難で、トップの形状が判っていて、近所迷惑にならないという三拍子揃った現場では躊躇なく使える。屋内での作業のため室内側への煤の飛散の防止、回転式なので養生や手袋を巻き込まないように注意するなど、この製品の特有の注意点もあるけど、適材適所という感じで、上手に使えば便利なツールという印象だ。

アマゾンで購入したので、正直にレビューしておいたが、不具合の評価だったため、速攻でその出品が取り消されて、別の商品として、新規で売られていた。激安品、粗悪品を使う場合には、かなりのリスクを伴うことを認識して、自己責任でとなる。

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