薪ストーブの底と背面のパネルの間から結露水が垂れている
私が取り扱い説明した時には問題はなかったのだけど、その後のユーザーの薪ストーブの焚きつけ時に水がポタポタ垂れてくるという問題が起きたそうだ。そして、「水が垂れてくるような密閉性、気密性のない薪ストーブは欠陥商品では?」「本当にこんな構造で良いの?」という疑念を抱かれたようだ。
薪ストーブの底と背面のパネルの間から結露水が垂れている
そもそも、鋳物製の薪ストーブは鋳物のパーツを寄せ集めて、耐火セメントやガスケットで、接合部分の気密をある程度は取っているけど、溶接されている鋼板製の薪ストーブほどの気密性、密閉性はない。煙突の口元から水をホースで流し込めば、ジャブジャブ水が床に流れてくる。バケツのように水が炉内に溜まるようなことはあり得ない。炉内に水が溜まれば低いところに流れて、最終的には床へ漏れていく。そういう構造なのだと説明したのだけど、ご納得いただけなかったようなので、直接メーカーに問い合わせてもらうことにした。
そもそも、なぜこの問題が起きるのかという根本的な原因を考えないと解決しない。なぜ水が垂れてくるかと言えば、炉内で結露が発生しているからだ。冷たい薪ストーブの炉内で、薪を焚いた時に薪から出てきた水分と炎による暖気で熱帯雨林のような高温多湿状態なっていることが想像がつくだろうか?熱帯雨林のジャングルで、キンキンに冷えた氷水のグラスでもビールジョッキでもいいけど、置いておけばすぐに表面に水滴が垂れてくるのは、理解できると思う。それと同じことが、薪ストーブの炉内で起きているわけだ。焚きつけ時の結露水の発生の場合は、室内側の湿度や温度は関係ない。あくまで薪ストーブの炉内の空気と、薪ストーブの構造物の間の接している面で発生する。
炉内側面で結露した水が垂れているのが観察できる
結露水が垂れてくる原因が「高温多湿の炉内の空気と冷たい薪ストーブの構造物が触れるため」と理解できれば、対策は簡単だ。炉内の湿度をなるべく下げて、なおかつ薪ストーブの構造物の温度をなるべく上げることだ。具体的には以下の二つだ。
当然のことなのだけど、一応解説しておくと、いくら「十分に乾燥した薪」と言っても、必ず薪には水分が含まれている。燃焼の際に水蒸気が出てくるのは、程度問題でゼロにはできないけど、極力少ない方が結露しにくいことは言うまでもない。
そのため早めに薪ストーブの炉内温度(構造物の温度)を上げて、なるべく結露させないことも重要だ。薪ストーブの構造物の温度が100℃以上になれば結露できずに蒸発する。そのためには、細割りを中心に焚きつけして、炎をたくさん立てて、素早く温度を立ち上げることが有効だ。水蒸気が結露する前に煙突から抜けてしまうくらいの勢いの炎が欲しい。それを達成させることが可能な細割りを十分に使うことだ。面倒くさいと思って太割りの薪で、燻ぶらせて焚くと、結露水が垂れてくる。
この結露水は、ただの水ではなく、タールを含む木酢液なので、強酸性なのだ。色を良く観察すると黒褐色だ。これは薪ストーブの鉄部や耐火セメントを腐食させていき、ダメージを与えていく。甘く見たり、原因を薪ストーブの構造のせいにしないで、焚きつけ方法を見直してみることをお勧めする。
十分な量の細割りを用意した、上から着火方式で、炎の上に炙られる薪がない状態の焚きつけがお勧めだ。
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焚き付けのレクチャー指導が理解不足または不十分だとユーザーさんはケムリもくもくで木酢液結露はこうなるんですかなー
うさぎさま;
また機会があれば、再度焚きつけレクチャーしてきます。
ボクはF400を10年間極寒エリアで年間5トン焚いて来ましたが結露や木酢液の経験は全くない。
よほど焚き付けで煙を一杯出してるのかねー
うさぎさま;
煙だけでなく煤も大量でした。
煤もいっぱい出てるなら投入した薪が
必要としている空気量が不足してますなー
最近の最新機種は排気ガス排出削減をクリアする為に新しい吸排気コントロールに合わせた焚き付け【空気給気量が極端に少ない設計】方法をしないといかんよね。
木酢液が出るのはまるで炭焼みたいな意図的に空気量を絞る場合だけだよ!
うさぎさま:
ベテランユーザーほど長年の自己流のやり方を変えるのは難しいのかもしれません。