設計が確定してしまってから呼ばれても「こうしておけば良かったのに・・・」と思うだけとなるが、このように設計を検討している段階から声をかけてもらうと、使い勝手の良い薪ストーブのある家となるように、具体的なアイデアを出していくことができるので、とてもやりがいがある。おかげさまで「薪ストーブ屋として展開していく」という決意表明を出してから、数件の依頼をいただいて、今後が楽しみな状況となっている。
その中の一件がこれだ。建築年数不明の古い民家をフルリフォームして、それと同時に薪ストーブを導入するプランの打ち合わせに先日行ってきた。まずは現場周辺の環境、建物の全体像などをじっくりと見せてもらってから、今後、設計士と打ち合わせていくべき内容を施主に伝えいく。
図面では薪ストーブの位置が固定されていて、なおかつ壁を周辺に作成するプランになっていたが、それだと天井や屋根を抜いて煙突を立ち上げる際に梁や根太をずらすために大きく横引させることになる可能性が極めて高い。これはよくあるケースだ。薪ストーブの位置は現時点では決めないで、実際に天井や屋根を見てから現場の状況を確認してから、それにあわせてストレートに屋根まで抜けるような煙突となるように設計しなおすように伝えた。
それから古い建物の玄関右側の部分を取り壊して減築するプランだったが、取り壊すと余計な費用が発生するので、乾燥薪の保管庫として、活用することを提案してきた。寒い雨の夜に屋外の薪棚へじゃんけんで負けた家族の誰かが薪を取りに行くのか、外に行かずに済むのかは日常の使い勝手に大きく影響してくる。
そして薪ストーブの機種の選定のアドバイスをした。一応メインの暖房用はドブレの予定だけど、それだけでなくキッチンにクッキングストーブも置けるスペースを確保したいところだ。
今後、基礎、天井、屋根などを補修しなおすので、その工事にあわせて無駄のない動きとなるように工務店と連携して動くことになる。屋根も一度全部瓦を降ろすので、その補修工事の時に煙突工事も済ませてしまった方が合理的なのだ。室内の天井を剥がして建物の躯体が見えたら、再度訪問することとなる。
■雨どいをなくして、地面で雨を受ける実例■(2010年10月11日更新)