薪ストーブは使い方次第で危険が伴う。
燃焼温度が低く、燻らせるような焚き方をすると、不完全燃焼して煤やタールが発生して、煙突内に付着していく。
これらの物質は可燃性なので、薪ストーブを焚いている時に、着火点を超えると燃焼する。煙突内で煤やタールが燃えると上昇気流に煽られて、火炎放射器のような強烈な火柱が煙突トップまで噴き上げて全部燃え尽きるまで止まらなくなる。この現象を「煙道火災」と言う。
この時には煙突の表面温度は1000℃を超えて、建物の貫通部分の木部が引火して建物火災につながるリスクが高くなる。
毎年のように「薪ストーブが原因の火事」の報道があるけど、この煙道火災のパターンが多い。
正しく施工しても、使い方を誤ると、生命や財産を失う火災が起きるのだ。
こういう状態で煤やタールを付着したまま薪ストーブを使用すると大きな危険が伴うので、毎年、シーズンオフには確実な点検と煙突掃除が必要だ。

タールがみっちりコーティング状の付着してしまった薪ストーブの炉内
正常な温度で焚いていれば、このように炉内にまで、タールや煤がこびりつくということはありえない。
少量の薪を空気を絞って燻らせて、低い温度で焚いていたのだろう。恐らく表面温度も150℃以下だったと思う。
表面温度が250-300℃程度で焚けばこういう問題は発生しないけど、慣れなくて、怖くてそこまで火の勢いを上げられないのかもしれない。
あるいは薪を節約しようとケチケチ、チビチビ焚いているのかのどちらかであろう。
今回の煙突掃除は、直接の施主さんからの依頼ではなく、施主さんも不在の別荘だったので使い方のレクチャーまでできなくて残念だったけど、後日なんらかの形で、このレポートが伝わると良いと思う。

炉内だけでなく煙突内もタールがコーティング状に付着

【比較参考】正常に上手に焚いた場合の煤の付着状況
