「薪ストーブや煙突設置の見積もりをしてくれ」lというような話が舞い込んできても、最近は、真に受けてすぐには作らないことにしている。
精度の高い見積もりを作るためには、けっこうな手間と時間がかかる。リフォームの場合には現場に行って、寸法を計測するのが必須だし、新築の場合に図面から拾い出すにしても、図面からは見えてこない貫通部分や支持ポイントの確認や打ち合わせをしないとできないからだ。

そうして苦労して作った見積もりを出したとたんに音沙汰がなくなり、後で確認すると、その見積もりを他社へ持っていって「これより安くやってくれ」みたいな相見積もりの叩き台に使われちゃっていたり、図面から必要部材の拾い出しをさせて部材を通販などで購入するような人もけっこういるからだ。本気のお客さんにまで疑いの目を向けるのは不本意で悲しいけど、人間不信になるようなことを数多く経験して、自分の心が折れないように、それなりの対策が必要な時期に入ったと思う。
見積もり依頼が、ホンキで工事を私に依頼したいものなのか、それとも単なる叩き台や冷やかしなのか、見極めるために、今後は見積もり作成代金として2万円を請求しようと思う。そして工事を受注した段階で工事代金から2万円値引きすれば、実質的な施主さんの負担はゼロになる。ホンキで工事を依頼したいと考えているならば、申込金扱いとして受け止めてくれるはずで、その2万円を払ってくれるはずだろう。最初から浮気するつもりで、見積もり依頼してくる人はその2万円は払うのが惜しいだろうから、それを、これからは踏み絵代わりにしようと思う。
これは本気のお客さんにだけ、ベストなプランを提案するための対策なので、ご理解いただきたい。
どこの薪ストーブ店で施工したって、部材価格には定価があって値引き率が20%程度で、工事代が20-30万円というのは同じなのだから、同じ部材で同じ仕様で工事すればだいたい同じ金額になるはずだ。私は遠方での工事の場合でも、基本的に出張代金や旅費は受け取ってない。だから、同じ仕様であれば、地元の薪ストーブ店の見積もりより高くなることはないので、安心して欲しい。
もし、見積もりの値段が極端に値段が違うのであれば、吹き抜けの室内側を全部シングル煙突にしていたり、屋根上をチムニーでなくフラッシングでやっていたりと、まるで仕様が違うのだから、それは当然のことだ。
基本的には値段は同じ仕様であれば、ほぼ同じになるのだから、値段の安さで勝負するのではなく、プランニングの良さで勝負したい。他店ではできないような煙突掃除しやすいプラン、メンテナンス性の良いプラン、暖気の循環が良いプラン、搬入動線の良いプランと、実際の使い勝手で違いを出したい。
もし「とにかく安くやりたい」という希望があるのであれば、相見積もりを取って競合させて1円でも安いところを選択するというような方法ではなく、最初から「ぶっちゃけ予算はxx万円」」と具体的な金額を言ってくれたら、その予算の範囲内でできる最善の方法を考える。その方がより良い、満足度の高い設置プランが得られるだろう。品質重視のプランだけでなく、ローコスト重視のプランであっても、それなりには対応しているので、正直に希望をぶつけて欲しい。(大きく影響の出ない範囲で、国産ではなく海外製のコストダウンできる部材を使うなど)


コメント
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角トップは,材料費の割合からすると非常に贅沢品ですね.それに見合うメリットを挙げてくれると嬉しいです.
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てんにょさま:
メリットはたくさんかあります。
1.煙突との取り合い部分がフラッシングとは違って、寿命のあるコーキングや防水テープに雨仕舞いを頼らなくて良いので、半永久的に雨漏れの心配がない
※設置20年後とか30年後に「雨漏れしてきた」というのはたいていこのパターンです。防水テープやコーキングの劣化で煙突とフラッシングの取り合い部分から雨水が流れてきます。
2.屋根との取り合い部分が立ち上がるので物理的に雨漏れしにくい構造を板金で実現できる。
3.身体をチムニーの構造部分に預けて煙突掃除できるし、道具をチムニー上部の平らな部分や、チムニー棟側に置けるので、安全に作業できる。
4.煤がつまりにくい
5.煙が目立ちにくい
部材代金はフラッシングでおさめるより10万円くらいは高くなりますが、この部分でケチった時に失うものを考えると、どうかと思います。
ここで10万円をケチるなら、本体を安いものにした方が合理的だと思います。
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見積もりについて、堂々とした考えを表明している会社があります。仕事をもらう側はしばしば泣かされますが、ここまで思い切ったことを表明するのも中々勇気がいりますね。以下のURLを参照してください。
http://www.dewa.or.jp/~uso800/mitsumori.html
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髙瀨さま:
情報ありがとうございます。はっきりと謳っている会社も出てきているのですね。
さらに言えば、安くやってしまったら、高品質を担保できない部分も出てくると思います。
お客さんがその部分を認識してくれれば、ショボい部材で、やっつけ工事すればいくらでも安くできるのですけどね。
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土木設計上がりなので、見積の大変さは知ってたんで、ウチも基本的に有料です。
実際に成約になれば、その分は値引きで対応すればいいだけですものね。
見積もりもネットの情報も、タダだと思ってる人が多いので残念です。
物販も、問い合わせや質問とかで情報だけ得て、最安値に走る人が多い(苦笑)
世知辛い世の中、まぁお互いがんばりましょう。
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薪焚亭さま:
コメントありがとうございます。
同業者ならではの視点からのご意見、参考になります。
これからも、よろしくお願いします。
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何時もながら、いい(匠の)仕事をなさっていますね。
此方の方も仰っていますが...
大きな事案になると作成するのに数か月掛かかり、それなりの人を注ぎ込まないとならないので、すべての人件費がパーですからねエ~。
川原さまの仕事振りを評価して頂けるお客様に、それなりの価格で良いものを作って差し上げれば、必ず喜んで頂けると思います。
人の考えを見抜くのは難しいですけど...
益々のご繁栄をお祈り申し上げます。
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見積依頼するも、作成を受けるも商売行為ですからお互いに自由。
お客の様子が怪しければ見積なんか誰も相手にしませんよね。(笑)
ただし見積すればほぼ取れるという読み(競合相手に対して)と自信が
あれば、お客様に出しますけどネットビジネスでは顔も見えないのでお互いに様子見してしまうでしょう。
まあ勝つ自信が大きい私は今までは見積をほぼ出して来ました。負けそうな時は辞退ですが。このメリハリで成約の確率は確実に上がりました。
ただ、見積って難しのは同じフェアーな条件になららにケースがあるので変な条件の奴かどうか慎重にこちらの頭を使う必要がありますよね。
うちの工事は確か記憶ですが部材は定価の90%で、工事費は取り付け出張費という名目(工事費と本質は変わらない)で10万円です。どこも似たような金額になりますね。
どことやりたいかが決定要因かも!!
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についてでした。
最後の工事代金は山荘のケースです。
読み直すと、まるでストーブショップみたいでした。(笑)
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普通に考えて、今の状態で見積を有料にすると仕事は減ると思いますよ。
業者相手の話ならわかりますが・・・
右も左もわからない状態で依頼する一般の人が大半でしょうから。
高品質(安売りしない)である事をわからせないと、不毛だと思います。
というか、そんなに見積に労力使う必要ありますか?
概算見積で、現場で変わったら請求しますよね?
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いで爺さま:
ウェブデザイン会社の「相見積もり」に対する考え方の紹介をありがとうございます。
ご経験からくるアドバイスもありがとうございます。経験を積んで、物事を解っている人から評価していたくことは、大変光栄です。
これからも頑張りますので、見守っていただけると幸いです。
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うさぎさま:
薪ストーブ業界とは全く違う広告業界の事例の紹介をありがとうございます。
部材代金が高ければ工事代を安く、部材代金が安ければ工事代金は高くで、結局はトータルいくらかというところで見る必要がありますよね。単純な割引率だけでは判断つきません。
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かめさんさま:
私の見積もりに対する考え方として「概算見積もりで後で誤差が出たら請求」というのは「無し」だと思っています。
誤差が出ないように詳細に現場調査をして、そのままいけるように、かなり神経を遣っています。必要に応じて小屋裏に入ったりして梁の位置まで確認しています。
見積もりを出すに当たって納得いくプランが一度でひらめかなければ、何度か現場に行くこともあります。
それだけ一つ一つの現場に愛情を込めて、誠意を持って、自分で納得のいくように当たっているので「概算見積もり」っていうのはやっていません。
概算でいいなら、現場を全く見ないで「とりあえず100万円くらいですかねぇ・・・。」って感じで話しています。それで話が進むなら、多少凸凹があっても自分の責任で吸収します。
正直に言うと、仮に見積もり代の2万円の請求で、仕事が減っても良いと思っています。
それから、私のところに依頼してくるクライアントさんは「右も左も判らない一般人」というのは少なくて「ある程度自分で勉強して、それなりに理解している人」「技術者や職人などの本質を理解している人」の方が多いです。