中国製と欧米製の薪ストーブの違い

「一桁万円のホームセンターで売っている中国製の薪ストーブと、その10倍程度の価格の欧米製のものはどこが違うのか」と疑問に思っている人もいるかもしれない。
私は両方とも使った経験があるので、実感しているが、どちらもガンガン焚けば暖かくなるのは同じだけど、その違いは「燃費」および「寿命」にある。
欧米製のものと比べて、中国製は気密性がイマイチの作りなので、薪が早く燃え尽きる傾向にある。また重量(質量)が小さいので、その分蓄熱量が少ないという物理的な違いがある。
寿命に関しては普通に使っていると、中国製のものは8-10年くらいでバッフル板や、薪抑えなどの構造物が壊れていく。欧米製のものは20-30年程度は持つのが一般的だ。価格差が大きいので、鋳物の質や精度が全然違うので、無理はない。
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シングル煙突なのが残念
安い本体に合わせて煙突もシングル煙突が使われる傾向が多いけど、しっかりとした二重断熱煙突&煙突ダンパーを接続すれば、かなりの性能を発揮してくれるポテンシャルは持っている。
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鍋を置いて直火調理できるのが魅力
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このバッフル板が弱いので、折れ曲がってヒビが入り、やがて崩れ落ちる
このバッフル板が崩壊した時が実質的な寿命と言えよう。突然そうなるわけでなく、少しづつ歪んで来たり、ヒビが入ってきたりするので、壊れた時が入れ替え時だと思う。薪ストーブに充てる予算が足りない場合には、しっかりとした煙突工事をして「とりあえず中国製の薪ストーブを接続」という形で、やりはじめるのも一つの方法だ。壊れた10年後くらいに、欧米製のものと入れ替えるのもありだと思う。
かわはら薪ストーブ本舗では、煙突さえニ重断熱煙突で施工するという前提であれば、お客さんが「ホンマやホームセンターの中国製の薪ストーブを使って設置工事してくれ」という話があったとしても、引き受けている。しかし、もし本体に10万円程度出せるのであれば、気密性が良く、燃費も期待できるカナダ製の鋼鈑の薪ストーブとカナダ製の煙突の組み合わせも視野に入ってきてしまう。低予算(本体10万円+煙突部材30万+工事代20万円=合計60万円程度)で、それなりに「快適」と思える環境を導入することも可能なので、相談してほしい。予算の範囲で最大限に良いものを提案している。
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コメント

  1. Mr.トリデ より:

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    この案件、シングル煙突にもかかわらずメガネ石も無く、折れ曲がり部分が天井にかなり近いように見えますが、煙突からの熱対策は大丈夫でしょうか?(・・;)

  2. かわはら より:

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    Mr.トリデさま:
    窯業系サイディングの中身がメガネ石なので、その部分は問題ありません。
    でも天井と煙突の離隔は明らかに不足していて、問題ありの施工ですね。
    この現場は今月末頃に、煙突入れ替え工事の予定です。
    またどうなったかは改めて紹介します。

  3. カピバラ より:

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    我が家がまさに燃費の悪い、ホンマのストーブを使っています。
    薪ストーブのことを知らない工務店が設置したんだなと今では痛感しています(笑)
    ですが、せっかくのストーブを活用すべく、以前コメントいただいたように気密性を確保するため、バラしてメンテナンスしたいと思ったのですが、ネジが完全に焼き付いている箇所もあったりしてどうにもならず・・・
    ただ、バッフル版・ロストル共、破損のため昨シーズン交換しましたので、入れ替えはもう少し粘ろうかと思っていますが、そのうち必要なのは目に見えていますので、その際はよろしくお願い致します。
    10万程度で性能の良い本体と入れ替えられるのでしたら、是非お願いしたいです。希望が見えてきました。

  4. かわはら より:

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    カピバラさま:
    一度パーツ交換したのであれば、そのパーツが再びNGになるまでは、引っ張りたいですよね。
    記事にもあります通り、10万円程度で、性能が良く満足度の高い製品もゲットできます。そのうち機会があれば紹介します。