今回の都内での薪ストーブ設置案件は、住宅の設計時点からコンサルさせてもらっていた。そのため図面完成の段階から、色々とアドバイスしていた。都内で特殊な形状の敷地という条件があったので、薪の搬入動線から煙突のトップへのアクセス経路、メンテナンス性など、「ユーザーの使い勝手」を最優先した。
住宅の設計時に薪ストーブを導入するにしても、複数の設置経験があっても、実際の自宅での使用経験のない設計士や工務店だと、細かな使い勝手まで配慮できないのは無理もない。
薪ストーブの設置工事の費用はどこに依頼しても同じ部材を使用したならば大差ないけど、ノウハウの有無で使い勝手は大きな違いが出てくる。
薪ストーブを設置した二階リビングに接するベランダの活用がポイント
梯子を上ると屋根に、安全に直接アクセスできる二段構成のベランダ
このように上段のベランダから屋根の棟に出て、煙突トップに容易にアクセスできる
焚き付け直後の煙が出ている様子
このようにメンテナンス性に配慮しただけではない。
周辺の家の屋根より遥かに高い位置にあるチムニートップ
都内の住宅地ということもあり、周辺の住宅の屋根より、明らかに高くなるようにチムニートップを設定して、なおかつ敷地の中心部分に位置を持ってきて隣家との離隔距離を最大限に確保した。このように煙による近所からの苦情、トラブルが発生しにくいように、煙突の配置や高さの設計など、できることは全て行った。
コメント
これだけ密集した住宅地では、薪ストーブの設置は無理があるでしょう。
また、焚き出しに少なからず煙は出るし、追い足し時も必ず出ますよ。
いくら高くチムニートップを設置しても、煙は上に昇るとは限らないので近辺の住人にとって迷惑は必定です。
煙嫌ノ助さま:
現実的には、もっと密集した地域でも上手にトラブルなく焚いているケースもあります。
あくまでケースバイケースで一概には言えないですね。
現実的に煙で迷惑している者としては憤まんしています。
匂いや煤は風向きにより洗濯物や布団干しに染み付く嫌悪さは分からないでしょう?
街中からは、薪ストーブなんかは排除する法律を作って欲しいです。
煙嫌ノ助さま:
それは大変ですね。お察しします。
法律、条令などの策定のため、自治体や議員に働きかけてみてはどうでしょうか?
私は薪ストーブのユーザーですが、煙嫌ノ助さんの気持ちも良く分かり、ご意見にも賛成です。
私はタバコを吸いませんし、大嫌いです。吸いたい人は人の迷惑のかからない場所で吸って欲しいと思います。
薪ストーブは本当に奥深く、トータル的にいろいろと人生に楽しみを与えてくれます。
原木を切る、玉切り、薪割り、そして二年程度の乾燥。それらの保管場所もかなり必要になります。
それぞれの工程で楽しさや苦労もあります。
そういった事も含め、薪ストーブライフは自ずから場所を選ぶと思います。
住宅地での薪ストーブライフは無理があると思います。
私は他の趣味の事もあり、山の上の一軒家に住んでおります。お隣さんまで800メーターの距離があります。
乾燥した薪を購入して、薪ストーブを焚くだけしても、やはり(私は)薪ストーブは場所を選ぶと思います。
川原さんの薪ストーブにかける情熱、そのスキルには素晴らしいものがあり、私の師匠と勝手に思っております。
この案件についてどうこうと言う意味ではなく、一般的に私はこう思うと言う意味で書かせていただきました。
ブログ読者のNさま:
貴重なご意見ありがとうございます。
人それぞれ、違う環境、考え方なので正解を出すのは難しいですが、他人に迷惑をかけないというのは基本だと思います。
他店施工で薪ストーブを導入したけど、近所からのクレームでオブジェになってしまったとか、撤去せざるを得なくなったというようなケースを見聞きすることもありますが、そういうことの起きないように、私は自分のお客様には、できる限りのアドバイスをしています。自分のお客様には「そんなプランなら薪ストーブの導入は止めた方が良い」と言ったこともあります。
売れれば、そのあとはどうでも良いという販売店も多いと思いますけど、私は自分のお客様からは、そういう問題は出さないようにしたいと願っています。
私は、もっと近隣が近接している所で薪ストーブ使用しております。
「焚き出しに少なからず煙は出るし、追い足し時も必ず出ますよ」との事ですが、そうであれば、薪、煙突、焚き方、薪ストーブの見直しが必要と思われます。
そのような問題を一般化してお話しされるのは、正しい知識をお持ちでないからとは察しますが、きわめて遺憾です。
山口透さま:
フォローありがとうございます。
個別の具体的なケースごとに対応していますので、私に相談してくれる人は満足いただだけていると思います。