「既存の本物の暖炉に薪ストーブの煙突を繋いで燃やしてみたけど、室内側に煙が逆流して使えたものではない」という相談を受けた。
原因は簡単で、暖炉用の煙突は断熱材が入ってないので煙突内で排気温度が下がってしまって、ドラフト(上昇気流)が弱まってしまうからだ。また、薪ストーブ用の細い煙突と、暖炉用の太い煙突の接続も甘く、隙間が多くあるので、そこからも空気が流れこんでしまって、さらにドラフトが弱まるという理屈だ。
暖炉は空気全開で豪快に燃やす設計なので、シングル煙突でも大丈夫だけど、薪ストーブは極端に空気を絞った状態で、薪をゆっくりと燃やすという設計なので、煙突内で排気温度が下がってしまうと、きちんと燃えないのだ。
改善するためには、薪ストーブ用の、断熱材入りの二重断熱煙突を使うしかない。そこで、既存の暖炉用のシングル煙突を撤去して、そこへ薪ストーブ用の二重断熱煙突と入れ替えた。
シングル煙突を撤去するのは、かなり大変だった。チムニーの上から二人がかりで思いっきり引っ張っても、全く抜ける気配がなかった。
そこで、室内側の暖炉の中に頭を突っ込んで、暖炉上部のダンパー部分をディスクグラインダーで切断、撤去して、暖炉上部の煙突接続部分にアクセスした。煙突の接続部分にバールを入れて、暖炉とシングル煙突の接合部分の煙突を絞り込んで直径を小さくしてから、上から引っ張ったらスムーズに抜けた。一度、煙突を暖炉の上部にハメたら、解体、撤去するまでは、そのシングル煙突を使い続けるという設計になっているようだ。
暖炉用のシングル煙突を撤去したら、それが薪ストーブ用の二重断熱煙突と同じ直径なので、比較的スムーズに作業が進んだ。
薪ストーブの煙突口元の高さを確認して、それと同じになるように、チムニー内の煙突の下端を設定する。ここはミリ単位の精度が求められる部分なので、慎重に行った。仮固定して一度寸法を確認して、あと何ミリ調整するという形で二段階に行って高さを確定させた。

暖炉用の煙突の遮熱管の中に、薪ストーブ用の煙突を通した

囲いフラッシングの架台と、チムニー側面の取り合い部分の防水処理

無事に納まって一安心

暖炉から室内側へ二重断熱煙突が出てくる仕様

薪ストーブと接続して工事完了
工事完了したら、お客様にこれまでと同じやり方で火入れしてもらって、室内側への煙の逆流の有無を確認してもらった。

早速火入れして燃焼状態の確認
結果、扉を全開にしたままでも、室内側へ煙が逆流することなく、良好な燃焼をしていることを確認できた。
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