屋根の上にチムニーを建築工事で作ってもらう際には、いつも、かなり念入りに打ち合わせをしている。図面を渡すだけでなく、写真を見せたり、必要に応じて、工務店事務所や、現場でも打ち合わせを重ねて、誤解の生じないように最大限の努力をしている。
このような図面を渡したうえで、「一辺800ミリの四角い箱が上から被さるので、各辺に15ミリのクリアランスを確保して、仕上がり外寸770ミリで」と指示している。なおかつ、「柱や柱の外のチムニー構造のベニヤ外面の寸法が770ミリではなく、サイディングや鈑金仕上げの場合は胴縁やコーナー金具も含めた最大突起部分での寸法。外壁の仕様により最大突起部分が770ミリを超えないように慎重に設計して。そうしないと角トップや囲いフラッシングが被さらない」と、必ず念を押している。
それにも関わらず、一定の割合で指示内容を無視した寸法や施工方法でチムニーが造作されていることがある。打ち合わせ時に上の空で、ろくに聞いてないで、「実際に作る時に聞けばいいや」とか「てきとーに作っておけば、後は現場の実情に合わせてやってくれるでしょ?」というのが、本音なのだろうと思う。もちろん、きちんとやってくれる工務店の方が多数なのだけど、指示通りにできていないのが全体の施工数の1-2割の件数で、決して無視できるものではない。
今回の現場ではチムニーのベニヤ外面が770ミリだったけど、そこに鎧葺きの鈑金、さらにコーナーで膨らんでいて、808ミリで仕上がっていた。38ミリもオーバーサイズだ。当然のことながら、800の角トップでは物理的に取り付け不可能だ。鈑金のコーナー部分を切断して撤去して、防水テープやコーキングで仮の雨仕舞をして、一辺が800ミリ以下にしてから煙突や角トップの取り付け作業となって、大幅に時間をロスした。
たまたま、この日は鈑金屋さんも現場に来ていて、軒天の鈑金作業を行っていたので「サイズが合わなかったのでコーナー切断して、仮の雨仕舞をしておいたから、後で鈑金差し込んで化粧しておいて」と伝えることができた。
幸い、現場監督も常駐している現場だったので、現場監督にも実情を伝えてから、作業に取り掛かった。
このようにチムニーの外寸が指示通りにできていない場合はいくつか対策がある。一番手っ取り早いのは、チムニーの天端に100ミリくらいさらに立ち上がりの囲いを付け足してもらって、そこを鈑金で仕上げて外寸が770以下にすることだ。以下の記事のようなイメージだ。
しかし、この方法だと煙突工事を予定していた当日に施工することは不可能だ。大工さんが木枠を付け足して、そこに鈑金屋さんが鈑金を巻いてからということになるので、よほど上手くスケジュールが合ったとしても、たいていは1週間後以降になるだろう。薪ストーブ工事が立て込んでいる時に、予定通り工事ができずに1週間後以降の出直しとなると、別の現場が入っいたりして、次回はいつできるか判らないようなことになってしまうこともある。次回の煙突工事に行ける時は「足場がない」などの、別の困難が発生する。
もう一つの方法は、現場のチムニーが完成してから、実寸を計測してから、それに合わせた特注サイズの角トップや囲いフラッシングを制作することだ。この方法だと、特注制作に時間がかかるので、タイムリーに煙突工事ができない。
これまでは一辺800の既製品の角トップを使う前提で、仕上がり外寸770ミリで指定していたけど、今回のように、40ミリも大きく作られたうえで、なおかつ15+15=30ミリのクリアランスを確保するために、あらかじめ70ミリ、サバを読んだサイズの730ミリで指定しようかとも思う。
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コメント
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若山さま
なんとかリカバリーできる状況でしたので、それも含めて楽しんで作業させていただきました。
次回の工事についてですが、内装の塗り壁が終わって、足場を外す直前を予定しています。その時に、煙突貫通部分に化粧板を取り付けて、煙突を延長します。足場が外されてしまいますと、この作業が困難となりますので、現場監督さんには「必ず足場を外す前に呼んで下さい」と伝えて来ましたが、若山さまの方からも塗り壁の作業の終了の目途が着いたらお知らせいただけると幸いです。(塗り壁をDIYでやると聞いています)その時に工事日程の調整も併せてお願いします。
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