買う気マンマンのお客様に薪ストーブを売らない薪ストーブ屋

「部屋が暖かくならない」「近所迷惑になるくらい煙が出る」ということで、薪ストーブの買い替えの相談を受けた。お客様は既に各社のカタログや雑誌を集めて、具体的な希望機種もあるくらいの状態で買う気マンマンの様子だった。

黙ってお客様の希望機種を従来の既存機種からサクっと入れ替えて、工事代と薪ストーブ代をもらってしまえば、手っ取り早く大きな利益になるが、それでは、お客さまの問題は解決しない。

「暖かくない」とか「煙が出る」という問題は、煙突がシングル煙突のため排気温度が下がって煙の上昇気流が弱くなり、炉内に空気が十分に取り込まれずに良く燃えないということと、そのために燃焼温度も上がらないという負の循環になっているためだ。どんな最新式の良いストーブに入れ替えたところで、シングル煙突であると本来の性能を発揮できずに、全開でボーボー燃やすか、空気を絞ったら煙モクモクかの二択状態になってしまう。

そこで、お客様には薪ストーブの買い替えではなく煙突の入れ替えを提案した

それでも、お客様は半信半疑というか、疑いの方が大きかったようで、なかなか納得してくれずに、「無煙ストーブのモキにすれば解決するんじゃないの?」っていう反応だった。

そこで「もし煙突を入れ替えた結果、ご満足いただけなかったら、元通りにシングル煙突に戻してお代はいただきません」と宣言した。その結果での煙突入れ替え工事だ。

既存の室内シングル煙突を撤去

二重断熱煙突に入れ替え

問題なく燃えてくれた

薪ストーブの癖をつかむまで、最適な薪の量、空気調整のダイヤルの反応、天板温度、ダンパー操作など思考錯誤したけど、最終的に焚き付け後1時間程度経過したころには使いこなし方が何となく見えてきて、無煙の安定状態に持っていくことができた。

綺麗なオーロラ炎で完全燃焼している

煙突からの目視確認できる煙もない状態

これが北軽井沢滞在の三日間連続工事の二日目だ。

果たしてお客様は満足してくれただろうか?

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コメント

  1. ヒロ より:

    おはようございます。

    こんなに愉快で薪ストーブの本質をえぐった薪ストーブ情報はどこを見渡してもないのではないでしょうか。
    きっと施主さんも暫くはきつねとたぬきに化かされたような気持で過ごすような気がします。
    やがて、かわはらさんの優しさに気づく日が訪れることと思います。
    見事な判定でした。

    • かわはら より:

      ヒロさま;

      コメントありがとうございます。

      きちんと焚き込んで今使っている薪ストーブの本来の性能を発揮させてくれれば良いと願っていますが、薪をけちってチビチビ燻ぶらせれば、いくら二重断熱煙突に入れ替えても、ダメですから、どうなることでしょう。

      あくまで二重断熱煙突に入れ替えたのは、燃焼を良くするための必要条件の一つであって、十分条件ではないですから、予断を許しません。

  2. ヒロ より:

    確かにおっしゃる通りですね。
    どれほど優れた道具でも、つまるところ使う人間次第でいかようにも変化しますし。
    目の前の薪ストーブから逃げずに、見つめてくれればいいのでしょうけど。
    目の前の薪ストーブを悪者役に変えてしまえば・・・
    本人次第ですね。