住宅地だから「触媒機」なら大丈夫という危険発想

薪ストーブの導入前に、色々カタログを取り寄せたり、薪ストーブ屋さんに行ったりして、どの薪ストーブにしようかと夢を見ながら考えている人もいることだろう。
きっと「住宅地なら排気が綺麗な触媒機」とか言われているのだろう。あるいは「二次燃焼だから排気がクリーン」などと言われているのかもしれない。
はっきりと言っておくが、そんなことは全く関係ない。メーカーや機種によって性質や質感は異なるが、どの薪ストーブでも自分の好みのデザインで選んで大きく外れることはない。
実際に触媒や二次燃焼のシステムが働くのは薪ストーブの温度が十分に上がって、炉内にたっぷりと熾き火ができた時だ。温度が冷えている状況ではどんな機種でも必ず煙や煤が発生する。焚き付け時には触媒も二次燃焼も全く機能していないどころか、触媒に通すと排気抵抗になってさらに煙がひどくなる。そのため通常は焚き付け時には触媒を通さずに煙突に直接燃焼室から排気をバイパスさせているのだ。触媒付きや二次燃焼の薪ストーブ使用者が近所から苦情をもらってしまうような煙を発生したり煤を出しまくっているケースもたくさん見ている。触媒だからとか、二次燃焼だから排気が綺麗で安心というのは間違った常識なので気をつけよう。そんなことを言う薪ストーブ屋さんは自社の取り扱い製品を売りたいために言っているのだと認識して信用しないようにしよう。
実際には近所からの苦情をもらわないためには薪ストーブの機種の違いは、大きな問題ではない。それよりも、煙突の設計、施工と乾燥した薪を十分に準備できるかどうかにかかっている。二重断熱煙突で屋根から真っ直ぐ抜き排気抵抗がなければスムーズな燃焼となり煙が出にくい。その煙突の位置が近所に迷惑にならない場所となっているのかも重要だ。高温で煙や煤が出ないように完全燃焼させるためには大量の乾いた薪が必要となる。薪が足りないと無意識のうちにチビチビ、けちけち焚いて煙や煤を多量発生させる不完全燃焼となってしまう。薪ストーブの本体より「煙突」と「薪」と「使いこなし」の三つのポイントの方がはるかに重要だということを認識しておこう。

かわはら薪ストーブは全国

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