新品の薪ストーブは表面に保護の油が塗ってあるので、初めて火を入れると、油や塗装が焼けて煙と臭いが発生する。これを焼き切って飛ばしてしまうのが慣らしの重要な役割の一つだけど、ある程度は温度を上げないと効果がない。
もう一つの慣らしの意味で、部品の膨張による組み付け同士の慣らしという意味合いもあるが、これは普通にゆっくりと温度を上げていけばまず問題ないだろう。(細い針葉樹ばかりをガンガン焚いて温度を上げすぎるのは論外だけど・・・)
たまに「煙や煤が発生する」とか「焚いても暖かくならない」等で設置後数年経った家にレクチャーに行くこともあるけど、そういう時に私が焚くと、そういうふうに塗装や油の焼けた煙や臭いが出ることがある。それまで一度も正しい温度領域で焚かれていなかったということが判ってしまう。
知らない人は薪ストーブの表面から煙が立ち上がってくると、中の煙が漏れてきているのかとビビってしまうけれども、保護用の油や塗料が焼けているだけなので安心しよう。最初の数回(数日)は煙や臭いが発生する。窓を全開にして焚いて、室内に煙や臭いがこもらないようにしよう。締め切って焚くと、目や頭が痛くなる。そういう意味でも、厳寒期にいきなり本番稼動させるのではなく、窓を数時間、全開にしておいても差し支えのない時期に慣らしを行うのがベストだ。
ダッチオーブンも、南部鉄器のものはシーズニング(慣らし)不要だけど、大多数のものは表面に錆び防止のコーティングで保護されていて、使用前にそれを焼き飛ばしてしまう必要がある。取り扱い説明書にはコンロにかけて高温で野菜屑を何度か炒めて、それを捨ててと書かれていて非常に手間がかかる。しかし、薪ストーブがあれば楽勝だ。ギンギンの熾き火の中にぶち込んでしまえば一発で終る。
ちなみにダッチオーブンではないけど、南部鉄器のピアットF-461もシーズニング不用のため、これと五徳があれば、初火入れと同時にピザも楽しめる。
ダッチオーブンの慣らし(シーズニング)も炉内に入れれば一発で終了
次回からはダッチオーブン料理も楽しめる
今回、コンサルしたところでも、ダッチオーブンを購入されていたので、薪ストーブの慣らしと同時に、ダッチオーブンの慣らしも行った。