鋳型は砂をプレスして作るわけだけど、そのプレスするための金型がこれだ。この金型は無造作に通路に置かれていたので撮影できたけど、保管庫にはドブレ社がOEMで作っている他社製品の金型もあったりして、そちらは「写真撮影厳禁!」と入室前に注意された。滅多に見ることのできない、薪ストーブの鋳型を作る金型の貴重なショットなのだ。
ちなみに、この金型一つあたり百万円くらいのコストがかかっているそうだ。
この金型で砂に圧力をかけて固めて、鋳型ができる。できた鋳型に溶けた鉄を流し込んで部品が作成される。
実は鋳型の利用は一回ポッキリだ。製品の鋳鉄を取り出したら、砂の表面は焼け焦げているし、鉄に砂がくっついたりして、再利用できないのだ。同じ鋳型をバンバン使い回すわけではないのだ。原理を考えたら当たり前のことなのだけど、同じ鋳型で大量生産されていくイメージがあって、目から鱗だった。
このように成型された鋳物部品を取り外す際に、鋳型の砂が付着する
使い終わった鋳型の表面の焦げたり剥がれた部分を除去して、使える内側の砂部分を再び、プレス機に戻して新たな鋳型となって、再び鉄を流し込むというサイクルとなっている。