最近のトレンドは「火入れ式」はやるけど「レクチャー」はやらない?

きちんとレクチャーを受けてないケースが多いことは、色んなブログを見ていると感じる。ビビって温度を上げられなくて燻らせているのに対して、先輩ユーザーブロガーがアドバイスしているという構図が見られる。私の場合、ブログの世界だけでなく、実際に私へのレクチャーを依頼してくる初心者ユーザーや、煙突掃除などのメンテナンスの際に直接、レクチャーを受けていないユーザーと接しているので、身をもって実感している。
すべての薪ストーブ販売店が、レクチャー やメンテナンスをしないわけではないと思うけど、レクチャーなしで使っていて、メンテナンスを受けられない薪ストーブ難民が多いことも事実だ。
販売店が、火入れ式だけで、きちんとしたレクチャーをしない理由はいくつかあると思う。
一つ目の理由としては、忙しすぎるからだろう。薄利多売であちこち動いているから、一人ひとりのユーザーと時間をかけて接することができないのだと思う。安いエタノール混ぜて作った日本酒と、工業生産した塩を置いて、チョロっと焚きつけで、ありがたみだけを見せて速攻で帰ってきて、次のユーザーのところへ飛んでいき、煙に巻くという作戦で、この時期は動き回っているのだろう。
二つ目の理由としては、営業担当とか施工担当のスタッフが、実際に自宅で薪ストーブを使っていないから、やろうと思っても、きちんと説明できないのだろう。一戸建てに住んでいるとは限らず、アパートやマンション暮らししているスタッフも多い。仕事の合間に会社のショールームでチョロっと焚いた程度では、説得力のあるレクチャーができないのも当然だろう。次の薪をくべるタイミング、二次燃焼にするコツなど、実際に自宅で自分で薪ストーブを使っている人が、やって見せないと、言葉だけで説明するのは無理がある。
そういう販売店側の事情だけでなく、ユーザー側にも原因がある。価格が安いことを追求して、見積もりを取って安い販売店を選択していることも大きい。価格が安い販売店を選択しているということは、必然的にレクチャーできない販売店を選択しているということでもある。恋愛でも結婚でも男女両方の責任であるように、薪ストーブ販売店と、顧客も同じことだと思う。低価格だけで選択するということは、それなりのリスクもついてくるということでもある。
きちんとユーザーと時間をかけて向かい合ってレクチャーやメンテナンスをするためには、適正な利益を価格に乗せる必要がある。事業として存続するためにも、利益は必要なのだ。設置工事が安かったけど、何年後かに、その会社が潰れてしまっていたり、連絡が取れなくなってしまったということも、よく聞く話だ。
私の場合は自分で設置工事をしたお客様に対しては、十分な時間をかけて使い方のレクチャーをしている。二次燃焼に切り替えるところはもちろんのこと、次の薪の追加のタイミング、やり方まで教えて「後はこれの繰り返し」というところまでお客さま自身が理解してくれていると感じられるまで行っている。
ブログ村ランキング:オリジナルバナー

かわはら薪ストーブは全国

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. いずみ より:

    低価格を追求して>薪スト関連だけでなく、あらゆる業界でも同じに成って来てますね。
    技術者や職人と呼ばれる方々が、活躍出来ずに後継者も育ちません。
    ましてや薪ストは、此れからの業界なんでしょうけど・・・

  2. うさぎ より:

    双方に不幸なこはとにクルマと違ってディラー(ショウルーム)へ重くて、持参できないからねー。
    焚き方が下手なユーザー勉強不足で悪いよね。
    自分で取り組まなきゃ!
    もっと贅沢気分でてなく実用重視で機種も選ばなきゃ!
    ちょくちょく訪れるか、さもなくば丁寧なサービスをする人柄か見極めないままにお店を決めてる現実。
    ネットで価格重視や工務店に任せっきりだったり、薪ストーブとは20年以上のお付き合いする機械だってことを前提にお店と壊れにくい機種や扱い易い機種は選ぶことですな。

  3. mikio より:

    記事を読んでおりまして…
    自分のとこの施行状況も全くもっておんなじ状況であった事に気づかされました(T_T)。
    そもそも、良く勉強もせずに購入に踏み切った自分のせいでもあります(^_^;) 。それだけに、これからしっかりと勉強していき、色々なことを吸収していきたいと思っております。
    いつもいつも、かわはらさんの記事には感謝しきりであります。ありがとうございます。
    追申、かわはらさんお勧めのシンワ放射温度計73036をこちらのサイトのlinkより購入させて頂きました!現在使用中の温度計の精度チェックも含めてしっかりとしたデータを取って色々な焚き方を考えて行きたい考えております!

  4. mikio より:

    あと、すみません。mikioです。
    こんなことをかわはらさんに聞いて良いのかどうなのか分からないのですが…シンワ放射温度計73036は放射率を対象物によって変更できるようになっております。たとえば、黒色ゴム:0.95,酸化鉄:0.7~0.8,酸化銅:0.5~0.6,タイル:0.8 などとなっております。
    薪ストーブの天板などを測定する場合の放射率は、酸化鉄:0.7~0.8の設定でよろしいですよね(^_^;) ?
    すみません、かわはらさんは放射率の設定、いかがなされておられますか?

  5. かわはら より:

    いずみさま:
    コメントありがとうございます。どの業界も似たような環境にあるようですねぇ。
    ありがちな流れに巻き込まれないように気をつけたいと思います。

  6. かわはら より:

    うさぎさま:
    よく考えてみれば車以上に長く使うものですからねぇ。

  7. かわはら より:

    mikioさま:
    販売店が頼りにならない場合には、ある程度自分で勉強する必要がありますよね。その分、自分がしっかりすれば大丈夫だと思います。
    放射温度計があると各部分の温度分布が把握できるので非常に便利です。
    放射率は色で決まってきますので、黒ゴムと同じく0.95で良いと思いますよ。

  8. べっち より:

    まさに昨日UPした私の記事と同じ意見!慣らしのことすら言わないストーブ屋さんもいますから・・・

  9. kouda より:

    私もストーブ工事だけでなく、毎日のように色んな見積書を書いておりますが、数字だけで判断されてしまう口惜しさを感じることも多いです。工事の中身を理解していただくには・・・・やはり日頃の姿勢が肝心とも了解しております。

  10. かわはら より:

    べっちさま:
    私は「慣らし」に逃げて、きちんと取り説しない方が問題だと思っています。
    じっくり温度を上げていけば二次燃焼領域まで最初あkら持っていっても大丈夫だと思います。

  11. かわはら より:

    koudaさま:
    施工方法によって金額が違うのは当然ですよね。
    高い金額には理由があって、結果的には長持ちしてお得になるというところを理解してもらいたいですよね。

  12. ゆで落花生 より:

    夜行高速バスでも同じ現象が見られましたよね。
    「安全に運行する」がいつの間にか「安く運行する」という流れが主流となり、ついには大勢の命を落とす大事故に結びつきました。
    いい加減な施工、いい加減な取扱い説明の先にあるのは、煙道火災や一酸化炭素中毒など、ユーザーの不幸だけです。
    薪ストーブで煙道火災が発生し、家が全焼したものの、メーカー、工務店からのフォローが皆無で、悲惨な生活を歩んでいる方をブログで見たことがあります。
    火災が起きてしまってからでは、その原因を特定することは不可能ですから、それを良いことに設置サイドはメーカーとつるんで逃げ切りを図っています。
    そこには、そのメーカーがカタログで謳う「家族の団欒」など存在していません。
    そうならないためにも、ユーザーサイドはしっかり勉強する必要はあるとは思いますが、それ以上に、工務店やメーカーを含む販売サイドが「プロとしての仕事」をキッチリとして欲しいと思います。

  13. かわはら より:

    ゆで落花生さま:
    おっしゃる通りだと思います。
    火災だけであれば、火災保険でカーバーして生活は再建できると思いますが、人的被害があると、そうはいかないですからねぇ。
    命や財産を失うリスクのある商品であることも認識してのトータルコーディネートが必要だと思います。

  14. うさぎ より:

    火災保険会社に加入していても工事取り付け施工図面確認調査、火災前のメンテナンス掃除の有無など調査され失火責任に応じ過失原因による相殺減が出る場合、全額保険金は出ないケースもあるのではないでしょうか?
    保険に加入していない場合は更に悲惨なことになってしまいますよね。

  15. かわはら より:

    うさぎさま:
    現在においては火災保険に加入してない家屋は少ないと思います。
    また万一の場合でも、メンテナンスしてないとか、施工図面があるなしとかなどでの過失は取られないと思います。放火のようにわざと自分で火をつけたくらいでない限りは、全額支払われると思います。