同じ煙突配管でもシングルと二重断熱では燃え方が全然違う

薪ストーブの煙突は「二重断熱煙突」が基本だけど、たまにシングル煙突多用での施工を見かける。「室内側の吹き抜け部分は煙突からの採暖ができるのでシングルでも良い」とか本気で信じている人も多いけど、現実的には排気が冷却されて煤がたくさん付着する。乾燥した薪をいくら上手に焚いても煤がどっさり、バケツ一杯コースだろう。そして排気が冷えるということはドラフト(煙突内の上昇気流)が弱くなるということだ。つまり、空気を絞って焚くことができなくなり、燃費もイマイチとなる。
このように薪ストーブの煙突でシングル煙突は、ローコストというメリット以外に性能面で良いことは何もない。可能な限り二重断熱煙突での施工をお勧めする。
どうしても予算が限られている場合は、薪ストーブ本体は数万円の中国製の鋳物にしたとしても煙突は妥協しないで国産の二重断熱煙突にした方が、欧米の数十万円の高級機とシングル煙突の組み合わせよりも、はるかに良い結果が得られる。それほどまでに、薪ストーブにとって煙突が命であり、エンジンなのだ。
今回の伊豆の国市の移設案件の施主さんもユニークな経験をしている。最初はシングル煙突で施工したそうだけど、燃え方がイマイチだったので、セラカバーやスパイラルダクトを使って、オール二重断熱煙突に改良したそうだ。その結果、煤の量が激減したことは言うまでもないけど、燃え方も劇的に変化したということだった。薪ストーブの機種や、煙突の配管経路が全く同じでも、煙突を断熱しているかどうかで、体感できるくらい明らかに違うということを身を持って体験したそうだ。
なかなか同じ薪ストーブの機種と、同じ煙突配管経路で、シングルと二重断熱煙突の違いを体験できる機会はないので、そういう人からの言葉は説得力がある。
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屋外の折れ曲がり部分
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煙突の荷重を受けるために単管パイプ(足場管を利用)
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屋内の貫通部分
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天井への熱もヒートシールドで保護

このようにDIYでスパイラルダクトとセラカバーなどの部材で、二重断熱煙突を製作して施工したいという人もいるかもしれない。そういう人に対するアドバイスをしておこう。
やったことのない人には解らないと思うが、現実的には大変な労力、手間、時間が必要になる。コストを削減するためだけにDIYで製作するのは割が合わないかもしれない。色々な下準備や試行錯誤が必要になってくるので、部材を買ってきて、どんどんポン付けしていくわけにはいかないからだ。
単純に材料代だけを計算したら、製品としての二重断熱煙突を購入するより若干は安いかもしれないけど、必要な労力や手間、時間を金銭換算したら、実は「二重断熱煙突」という製品を購入した方が安いと思う。もちろん、この金銭換算は、施工の人件費をどう考えるかで違ってくる。「いくら時間がかかっても自分がやるので自分の人件費はゼロでいい」「勉強や経験のために苦労しても構わない」と考える人ならば、DIYもありだろう。
でも、限られた時間で確実に仕上げたい人や、「時給2000円程度の人件費で計算したらどうなのよ?」と冷静に考えてみよう。

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コメント

  1. whome より:

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    DIYですが、昨シーズン室内2重煙突に改造し、その効果に驚きました。
    放熱を狙ってシングルにする人もいらっしゃると思いますが、シングルであることのメリットはあまり感じず、2重煙突にしたら燃えかたが全然変化して、もう少し早く実行すれば、と悔やみました。
    今の煙突で大分勉強したので、次はオール2重煙突で施工してもらいます。
    来シーズンに向けて、本体のバッフルを耐火レンガ仕様にしました。早く焚く日が来ないかな、と楽しみにしています。

  2. うさぎ より:

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    燃え方までが全然変わるんですか?
    スス付着と燃費は理解できますよ!

  3. yoshi より:

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    これは、排気の成分を比較すると、煤を付着させるシングル煙突のほうがクリーンであると言えるのでしょうか?

  4. かわはら より:

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    whomeさま:
    室内側だけでも、それだけ変化しているのですから、全部を二重化したら劇的に違うでしょうねぇ。
    やはり実体験している人の言葉は説得力があります。
    バッフル板の改造も蓄熱で良い方向に行くと思います。

  5. かわはら より:

    5a326db1e1e9e1431610192552ef3117
    うさぎさま:
    ドラフトが強いと、空気を絞って焚けるので、炎の表情も全然違いますよ。

  6. かわはら より:

    5a326db1e1e9e1431610192552ef3117
    yoshiさま:
    そもそもシングルとダブルでは燃え方が違うので比較にはなりません。
    ダブルは安定して、良く燃えるからです。
    ありえないことですが、仮に全く同じ燃焼状態と仮定するならば、排気ガスの成分は全く同一と考えられます。結露した成分が煤やタールとして煙突に付着しているだけです。

  7. yoshi より:

    74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ありがとうございます。
    仮に同等の燃焼状態の場合、排ガスの成分は同一であり、シングルでは結露しダブルではそのまま大気に放出されると云う事ですね。

  8. かわはら より:

    5a326db1e1e9e1431610192552ef3117
    yoshiさま:
    確認のコメントありがとうございます。
    私としてはそのような見解です。

  9. whome より:

    4e48308b73db1f5ec183a22355eef199
    かわはらさま。
    自作ですが、完全二重煙突です。
    おっしゃるとおり、T曲がりの二重かとか、工具を持ってない人はとっても大変かと思います。最初から二重煙突を施工してもらうのが賢いと思います(もう2度とやりません)。しかも、SUS430は腐食しますしね。一生ものにはなりません。
    あと、燃え方ですが、逆に”引き”が弱くなった感じです。ボーボー燃えません。が、二次空気はかなり絞れます。まぁ、中国製の安物ですので、最初から高級機を燃やしてる方には、この感覚は理解しずらいと思いますが・・・すいません貧乏人の戯言です。
    ドラフトと、煙突の引きは別物なのでしょうか?奥が深いです。薪ストーブ。

  10. かわはら より:

    5a326db1e1e9e1431610192552ef3117
    whomeさま:
    実体験にもとづく貴重なレポートですね。
    中国製だからといって煙突をないがしろにする人も多いですが、二重化することのメリットは極めて大きいと思います。