アルテックのように炉の底に灰を落とせる構造の薪ストーブの場合のお手入れ

これまで数日の間、アルテックのソープストーン製の薪ストーブ「グランデノーブル デポ」の特徴について書いてきたが、今日の記事では、この機種特有のメンテナンス、お手入れの情報から、一般的な他の薪ストーブについても共通する点についても言及する。

炉の底から燃焼用の空気が上がり、灰を下に落とせる構造

アルテックの薪ストーブは炉の底部分から灰を灰受け室に落とすことが可能な設計となっている。また、ここに隙間があることで、初期の焚きつけ時に必要な下方向からの空気が供給される。

ある程度焚き続けて、炉内に熾火が大量にできて、灰になるとこの穴が自動的にふさがれて、下方向からの空気の供給が遮断されるという仕組みだ。

焚き付け前にガラスを清掃した後は、灰を灰受け室に落として炉の底の隙間が見えるようにした方が良い。ついでにこの段階で、灰受け皿の灰も捨てて空にしておくことをお勧めする。そのことで、焚きつけ時に炉の底から空気が供給されて良好な燃焼につながる。

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灰受け室がなく、下に灰を落とすことができない構造(設計)の薪ストーブの場合、灰を2-3センチ溜めておいた方が良好な燃焼をする。灰が断熱材代わりになって、炉内の熱を保ったり、熾火が溜まりやすくなるからだ。
過ぎたるは及ばざるがごとしで、溜めすぎも良くない。たくさん溜めすぎると、扉を開けたら灰がこぼれてくる、薪の投入スペースが少なくなるなどの弊害の方が大きくなる。

話しをアルテックの薪ストーブ特有のお手入れ、メンテナンス方法に戻す。

扉の下が灰受け皿になっている

手前に引き出すと、炉内から落とした灰を撤去できる

灰受け皿を取り出した際に、内部のこぼれた灰を点検

普段、灰を落としていると、灰受け皿からこぼれて漏れた灰が奥や側面に少しづつ溜まってくる。毎回灰を捨てる度に点検、清掃する必要はないけど、時々点検して、ある程度溜まってきたら、この内部の灰も取り除いた方が良い。

特に奥の中央部分の凹み、穴の部分に注意

奥の凹みの穴の部分が炉内の下からの空気の供給の経路なので、ここが灰で詰まっていると適切な空気が供給されなくなる。「燃え方がいつもと違う?」「何か燃え方がいまいち」みたいに感じる時にはこの部分をチェックしてみよう。

手を入れるには隙間が小さいので、金属製の棒や、長い柄のブラシなどを駆使して灰受け皿の奥の部分、漏れた灰を時々取り除いてやると良い。

ずっと灰を取り除かずに放置しておくと、奥に溜まった灰が炉の底からの空気供給の経路をふさいでしまって、燃焼時に必要な空気が不足する。また、さらに放置すると、最悪の場合は灰受け皿が奥に溜まった灰で押されて、しっかりと締まらずに、過大な空気が下から入り過ぎて、過燃焼で薪ストーブを壊してしまうリスクもある。

アルテックの薪ストーブの場合は、灰受け皿そのもので気密性を確保する設計になっているので、しっかり奥まで灰受け皿が入らないとダメなのだ。奥の方に灰が大量にこぼれていると、それが邪魔して灰受け皿が戻らないことがある。

灰受け皿からの灰のこぼれ、漏れはアルテックの薪ストーブに限らず、灰受け皿がある構造の他のメーカーの薪ストーブでも言える一般的なことだ。一度、灰受け皿を外した後に、内部を懐中電灯で照らして点検してみると、灰が意外とこぼれていることに、びっくりするかもしれない。

灰受け皿がない設計(構造)の薪ストーブの場合には、直接炉内から、灰をシャベル等で取り除くので、このような手入れ、清掃は必要ない。どちらも一長一短なので、その薪ストーブの構造に応じて使いこなしていけば良いと思う。

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コメント

  1. うさぎ より:

    私が使用して来た灰受け皿がある機種は北欧での長い薪ストーブ文化に育まれているせいか(ヨツール400やネスターマーティン、エトセトラ)は斯様に便利で重宝な設計になっています。

    灰受け設計がない機種からは次に買い替える際にはなるべく選びたくない程です。

    極寒になる真冬では炉内にも灰を多目にすることで、ワザとユックリとした蓄熱燃焼にも移行しますので灰は積極的に利用しコントロールをしています。

    新しい排ガス規制をクリアしているアルテックは川原さんのように色々と吸気コントロールをして自在に使い熟すとユックリポカポカ遠赤外線(だと勝手に思っているだけかな?)をじっくりと出して呉れる石製の薪ストーブはまさに零下となる真冬には相棒ですね。

    • かわはら より:

      うさぎさま;

      それぞれの薪ストーブの設計、個性に合わせた適切な使い方がポイントになってきます。