最も煙や煤の発生が少ない焚きつけ方法は、上から着火方式だ。
炉内の下に一辺3-4センチ位の通常の薪の半分位の太さの物を基礎として組んで、一段上がるごとに、少しづつ、細く短い薪を積み上げていき、山のような形状にする。最上段は、割り箸程度位の細さで長さは2-3センチ程度だ。下の写真を参考にしてみて欲しい。
鉈(なた)で焚きつけ用の小割りや短めの薪を作成するのに、少しだけ手間と時間がかかる。鉈は薪を割ることもできるけど、上手に使うと短く切るのにも使える。ある程度細くしたら、鉈がなくても、手で折ったり、片側を地面につけて足で踏みつければ簡単に割れる。適切な細さと長さの焚きつけ材が必要になるけど、慣れればそれほど苦にはならないと思う。
上手に燃やすコツは、上の方から下の方へスムーズに燃え移っていくように、焚きつけ材を下に行くにつれて、少しづつ太くしていくことだ。リレーで下級生から上級生に向かってバトンを渡していくようなイメージで、炎が育っていくように、薪を積み上げていく。横着して、いきなり細い薪から太くすると、火力がそこで急に落ちて、燻ぶって焚きつけがスムーズにいかなくなる。何回かやってみれば、焚きつけ前の薪の組み方が分かるようになってくると思う。
バッフル板、炉内のソープストーン、ガラス面にも煤があまり付着していないことに注目して欲しい。煤や煙の発生が少ないことが、観察、確認できる。
この後、順次、一辺3-4センチの細割りの薪を2-3本づつ、投入して、炉内温度を上げていく。
いきなり太い薪や、大量の薪を投入すると、不完全燃焼して煙や煤が発生してしまう。炉内温度と、熾火の量に応じた、適切な細さの薪を組み合わせて、少しづつ太くしていくのが重要だ。
ひと昔前の豪快に燃えるタイプの薪ストーブと、現代の排煙基準の空気量の少ない薪ストーブでは、燃やし方も全然違ってきている。買い替えユーザーの場合は、昔の感覚が抜けずに、いきなり太い薪や、大量の薪を投入してしまいがちなので、要注意だ。
着火後の数分のタイミングで中段から下段にかけて、炎の勢いが増すところで、一時的に黒煙と煤が薄っすらと発生するけど、それでもこの程度で、煙突トップを注視していないと見落としてしまうレベルだ。少しづつ煙突からの黒煙は薄くなって、だんだん煙は目視確認できなくなってくる。バッフル板に付着した煤も一時的なもので、すぐに炉内の熱で燃えて白くなってくる。
上から着火方式は、機種や素材を問わず、多くの薪ストーブで有効は方法だ。今回は蓄熱性が高いアルテックのソープストーン製の薪ストーブ「グランデノーブル デポ」で撮影した。ソープストーンの構造のため蓄熱性が高いということは、炉内温度が上がるのに時間がかかって、鋼板製の薪ストーブより立ち上がりに時間がかかり、燃やしにくい特性であるということだ。それにも関わらず、上から着火方式の場合は、スムーズに煤や煙の発生が少なく、気持ち良く立ち上がってくれる。
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コメント
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谷川 光成さま;
tludもユニークな構造ですね。
薪ストーブの場合は追加で薪を投入して順次燃やしていく感じです。どんどん追加しないと本体の温度が上がりません。
薪スト3年目です。試しにおっしゃる通りやってみた所、とてもスムーズに炎があがり驚きました。とても参考になりました。今後も拝見させて頂きます。ありがとうございました。
283さま;
実際に試してみた結果報告をありがとうございます。
先入観なしで、試してみると発見があり、面白いですよね。
これからも、よろしくお願いします。よければブログ村の応援ポチもお願いします。
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薪ストーブ初心者さま;
ぜひ、試してみて下さい。
追加薪のタイミングは、また別途記事にします。