仕事の移動中に農家の庭先にケヤキの枝が何本か放置されているのを見つけた。
車を停めてよく見ると、畳が二枚分(軽自動車のフロアパネル)くらいの巨大な切り株があってびっくりした。細めに見積もっても直径1メートル以上はありそうな巨木だった。どうやら少し前に伐採されて積み残された小枝や幹の切り株だけ放置して腐らせるという感じだった。
日中だったので不在の可能性が濃厚だったが、呼び鈴を押してみたら、なんと90歳くらいのおばあさんが出てきた。「息子に訊いてみないと判らない」とか会話にならない可能性が濃厚だと思いつつ、ダメ元で「通りかかりの者ですが、そこのケヤキ太くてびっくりしました。こんなに太いの初めて見ました」とジャブをかます。そしたらそのおばあさんはけっこうしっかりしていて、「すごいだろー。大人二人でも手を回せないくらいのものだった。100万で売れたんだよ」と返事がきた。さらに続けて「薪にしたいんだけど、転がっている枝とか株とかもらっていいですか?」と訊いたら「いいよ。持ってきな」とあっさり了解もらえた。
とりあえずアルトに積めるだけ枝の部分を積んでみた。しかし・・重すぎてリヤバンパーが地面に当たってしまい、フロントタイヤが空転してしまい坂を上れなくなってしまう。仕方なく積み込んだ枝を全部降ろして、車を土地の外に出してから一本づつ運んで再度積み込んだ。「残りはあとで取りに来るね」と落花生の皮むきをしているおばあさんに言い残して、一度自宅まで枝を持ち帰る。
そして今度はチェーンソー持参で再訪問して、残してきた、そのままでは持ち上がらない巨大な株の部分をバラバラにしてから車に積み込んだ。二回往復して全部のケヤキを回収できた。アルトで二回分なので500キロ以上(半月分)くらいの薪が確保できたことになる。