我が家の薪ストーブはホームセンターで4万円くらいで売られている中国製の鋳物だ。
天板の上に丸い蓋がついていて、取り外せるようになっている。最初はその蓋が何のためにあるのか全く判らなかった。燃焼中に蓋を取り外したら炎が噴出して髪の毛が焦げてしまうと思ったものだ。
しかし好奇心旺盛な私は意を決して燃焼中に蓋を取り外してみた。しかし予想に反して炎は穴から噴出してくることはなかった。バッフル板(炎の折り返し板)の上を煙突に引っ張られて吸い込まれていった。これだけの大穴が開いていても炎や煙が室内側に出ることなく、煙突に引っ張られるということからも煙突のドラフト(引き)の強さが解る。
こうして、この穴に鍋をかければ直火料理ができるのだと知った。ここに土鍋を乗せればご飯が炊けるし中華鍋でチャーハンや野菜炒めもできる。薪ストーブが稼動している時期は、薪ストーブは暖房器具としてだけでなく調理器具として釜戸代わりにも使われている。
私が使っているのは長谷園の「かまどさん」という炊飯用の土鍋だが、分厚く膨らむ形状の底なので、鍋底がバッフル板に当たるため、少し浮いていて穴が完全にふさがらない。隙間から炎が見えているのが写真からも解ると思うが、このように多少の隙間があっても炎や煙は室内側には全く出てこない。
最近は何万円もする高級電気炊飯器がヒット商品になっているらしいが、こういう商品がお手本にしている「薪を焚いて釜戸で土鍋」というのを実地でやっているわけで、お米の美味しさはハンパではない。タイマー予約できないのがウィークポイントだけど、薪ストーブをやっているとそれは問題にはならない。