古来から日本では釜戸やお風呂など薪を使って火起こしていた。焚きつけにはコツがあって流速のある空気を送り込んでやると燻らずに簡単に火が上がってくれる。今ではオール電化の家も多く、家の中で炎を見る機会が少なくなってきて、焚きつけのコツを知らない人もいる。
昔の日本人は竹の節のところに小さな穴を開けて、反対側の節をくり貫いた火吹き竹を作って、息を吹いて使っていた。釜戸や風呂釜だけでなく、薪ストーブの焚きつけでも、これは使える。
「ひょっとこ」ってご存知だろうか?語源は「火男(ひおとこ)」から来ていて、焚きつけから火守りまで、炎を絶やさない動きをする人のことだ。この特徴的な顔にも理由がある。この火吹き竹を使って、空気を送り込んでいる顔そのものだ。顔を熱源に近づけるのは厳しいので、身近な道具を使っているのだ。こういう文化を伝えていけるのも薪ストーブの魅力の一つでもある。先週末に行った薪ストーブ体験のイベントでは、このような実演も行った。二日間とも盛況だった。私のブログを見て、来てくれた人もいてうれしかった。
他にも「フイゴ」などの道具があってアコーディオンのように伸び縮みさせて空気を送り込む道具もある。ちなみに自宅での焚きつけの際に風情はないけど、私は自転車の空気入れを使っている。