薪ストーブを設置して初の火入れ(慣らし)

忙しい業者さんだと、設置後にちょろっと火を入れて、あまり説明をしないでそそくさと帰ってしまうケースが多い。薪ストーブ屋さんのブログで「薪ストーブ設置工事してきました」みたいな記事をよく見かけるけど、ほとんどが焚きつけの時の写真だけということからも推測できる。さらに炎が入ってない薪ストーブだけの写真のケースさえもある。設置が夏で暑いからとか気温が高いとドラフトが得られないので火入れや説明は冬にするなんていう言い訳もよくあるケースだろう。さらに言えば点火の際も着火剤に頼っていて炎のコントロールができずに情けない。設置した薪ストーブの横に並んでいる本来であれば不要なガラスクリーナーや着火剤の写真からも、100万円近い金額を払っても、設置後はマトモな説明を受けられていないという現実が私にはよく見える。
それはともかく、薪ストーブを設置したので、燃焼試験と慣らしのために早速火を入れる。この時期で暑くたって関係ない。とりあえず室内の温度を上げないために窓を全開にして行う。室内をサウナみたいにしたい人は窓を開けなくてもいいのだが・・・・。
外気温が30℃近いので、真冬に比べて多少ドラフトは弱いけど、薪ストーブを焚くのに支障はない。焚き火の要領で細めの薪を組んでチャッカマンで火をつけてやる。
少しづつ太い薪をくべていって、炎を成長させていく。
薪をくべるタイミングや量、どのくらいの太さのものへと移行するかなどは焚き火に慣れている人ならば問題ないだろうけど、火の扱いに慣れてない人は実際にやってみせないと、なかなか理解できないことかもしれない。じっくりと時間をかけて、薪ストーブや煙突の能力をうかがいながら、炎の成長してく様子を見守っていった。
余計な装飾がなく、シンプルで質実剛健なデザインでガラスが大きくて、ドブレは炎が主役の薪ストーブだ。
炎の状況と、煙突からの煙や臭いの出方をリアルタイムで確認しつつ、少しづつ温度を上げていく。
やがて、煙突や薪ストーブから塗料の焼ける臭いや煙が出てくる。新規の設置に慣れていないとビビってしまったり異常だと思ってしまう現象だ。しかし、これは数回慣らしで焚いて、完全に工場出荷時の塗料を焼き切ってしまうまでは繰り返し何度か出るものだ。窓を全開にして焚ける夏の時期が薪ストーブの設置はむしろ良いのだ。
温度が十分に上がったら一次燃焼、二次燃焼の空気調整レバーの制御での、炎の違いと正常にエアーコントロールが機能しているのかを確認する。
慣らしなので温度管理は特に重要だ。放射温度計で各部の温度を測定しながら、全体的に表面温度が250℃くらいに達したところで、薪の供給を止めて鎮火方向に向かわせる。
やがて大量の熾き火と炭の状態になる。炉内でピザや焼肉、焼き魚なども楽しめそうだ。オーナーさんは実際にこのあと私が帰ってから夕食に鉄板焼きやったそうだ。
こうして焚きつけから、安定燃焼、熾き火の状態と、薪ストーブ使用のサイクルを全工程において確認できた。

かわはら薪ストーブは全国

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