築150年の古民家に施主さんの準備したアンティーク薪ストーブを設置した後に、火入れをして動作確認した。
新品の薪ストーブならばある程度温度が上がるところまで見届ければ大丈夫だけど、中古なので、耐火セメントやガスケットなどが不良で、途中でどこからか煙が出てくる可能性もあるし、ある程度の負荷をかけて、きちんと燃えるかどうか確認しないと心配だ。
土鍋で豆を煮る
そこで「慣らし」とかいうレベルではなく、ガンガン焚いて温度を限界域まで試運転して、貫通部分の周辺部分の木部に熱がどのくらい伝わるかなども含めてチェックした。取り扱い説明書もないので、焚きながら可動部分をいじって、挙動を確認したり、安定した時の温度分布などもチェックした。
ただ、黙って温度を上がるのを、見ているのもなんなので、そのまま宴会に突入となった。夕食と美味しいお酒をいただきながら、薪ストーブの前で施主さんと一緒に過ごした。
天板の上で熱燗を・・・
薪ストーブそのものは概ね問題なくきちんと使える状況だった。放射温度計を使って一通り確認した。貫通部分周辺の壁面の木部も心配ない温度だった。ただし、側面の露出している柱だけが、ちょっと対策を施した方が良い感じだった。背面出しでリアヒートシールドがついてないので、けっこう背面から側面方向への放射熱が強烈だった。銅製の雨どいがあったので、それを柱に空気層を確保した上で固定した。竹みたいな雰囲気で、漆喰の緑とコーディネートが取れて、いい感じになった。
そして夜中までガンガン焚き続けてチェックを続け、そのまま薪ストーブの近くに布団を敷いてもらって、お風呂に入ってから、薪ストーブと一緒に寝た。夜中に万一火災になったら、すぐに対応できる。「火事になったら、自分の設置した薪ストーブでそのまま死ねる」なんて冗談を言ったけど、その時点で全く問題ないであろうことは確信ができていた。自分が関わって施工した案件の場合は、責任を持って見届けたい。中古やホームセンターの薪ストーブの場合には特に最新の注意が求められる。
最後の薪の投入から6時間後、朝になると灰の中に熾き火が残っていた。掘り出して空気を送り込んでやると、細めの薪をくべれば、すぐに再始動可能な感じだった。
古い薪ストーブでも高性能で、大事に使ってやれば、長持ちすることが、実感できた。
翌朝の炉内の状況
しっかり熾き火が残っていて燃費も良かった